AIO活用でAI経由の売上が約2.2倍に。LogoClothzが直した商品説明とリンク

米国のLogoClothzは、AI経由と計測できた売上が約2.2倍になったと報告。購入前の質問に答える19記事と、古いリンク112件の修正を紹介します。自社の商品説明を直すために、質問の選び方、根拠の集め方、リンクの点検、公開後の計測まで具体的に解説します。
AIOに取り組んだ米国のLogoClothzは、AI経由と計測できた売上が約2.2倍になったと報告しています。取り組みの中心は、購入前によく聞かれる質問への回答と、古いリンクの修正でした。[1]
商品ページはあるのに、「このサイズで合いますか」「注文後に返品できますか」という問い合わせが繰り返し届く。そんなEC担当者に参考になる事例です。AIOとは、AIの検索や回答で、自社の商品やサービスを紹介してもらうための取り組みを指します。
LogoClothzは、企業のロゴを印刷したテーブルカバーなどを販売する会社です。この記事では同社の報告を読み、商品説明の不足を見つけ、ページを直し、購入につながったかを調べるところまで考えます。「AI向けに何か特別な文章を書く」という話からは始めません。
約2.2倍になったのは、どの売上か
2026年9月10日の共同創業者による報告では、次の二つの期間を比較しています。金額は米ドルです。[1]
| 計測したもの | 2026年3月5日〜6月2日 | 2026年6月3日〜8月31日 |
|---|---|---|
| AI経由と計測された売上 | $1,282.69 | $2,843.79 |
| AI経由と計測された注文 | 6件 | 15件 |
| AI経由と計測された訪問 | 348回 | 530回 |
会社全体の売上ではなく、AIから来たと判定できた訪問に結び付く売上です。電話注文は含みません。また、記事の公開は7月なので、右側の90日間がすべて公開後というわけではありません。[1]
注文は6件から15件へ増えていますが、まだ少数です。同社の自己報告であり、取り組みだけが増収の原因だと証明されたものではありません。ここでは「同じ記事本数を作れば同じ成果になる」と読むのではなく、実際に直した場所に注目します。

補足画像は説明用に生成したもので、実際の店舗や決済画面のスクリーンショットではありません。
何を変えたのか。質問への回答と、購入までの道筋
同社は7月に、購入前の質問へ先に答える記事を19本公開しました。扱ったのは、テーブルカバーのサイズ、価格、返品条件などです。さらに、テスト用サイトや古いブログへ向いていた内部リンク112件を直し、古いブログに依存していた画像9件を移しました。[1]
例えば、サイズの説明を読んで購入しようとしたのに、リンク先が古いページだったらどうでしょう。欲しい商品へ進めず、説明も今の条件なのか不安になります。記事の内容と、その先に進めることは、どちらも購入に関わります。
執筆にはNotebookLMも使われました。用意した資料を根拠に回答を作るAIツールです。著者の別の解説では、商品資料から答えを作り、根拠がない内容をAIに埋めさせない方法を紹介しています。この解説にある架空ブランドの例は、LogoClothzで実施した内容とは区別して読む必要があります。[2]
1.売りたい商品の「何度も聞かれる質問」を一つ選ぶ
ここからは、事例を参考に自社の商品ページを直す手順です。LogoClothzの社内作業を再現したものではありません。
最初に開くのは、自社の問い合わせメールや接客記録です。売りたい商品に関する質問を探し、「サイズ」「納期」のような単語ではなく、お客さんが困っていることが分かる一文を取り出します。氏名や連絡先は、編集用のメモには移さなくて構いません。
例えば、オーダー品なら「来月の展示会に間に合いますか」。この質問への答えは「短納期に対応しています」では足りません。注文、デザインの確認、製作開始、発送のうち、どこから日数を数えるのかが必要です。
次の表をコピーし、自社の情報で埋めます。空欄は、記事を書く前に担当者へ聞くことです。
| 書き出すこと | 記入する内容 |
|---|---|
| 実際に聞かれた質問 | 問い合わせの言い方を残す |
| 答えを載せるページ | 該当商品の公開ページのURL |
| 正しい答えの根拠 | 現行の納期表、商品仕様、返品規定など |
| 答えが変わる場合 | 数量、配送先、加工方法など |
| まだ分からないこと | 確認する担当者と、回答が必要な項目 |
公開ページとは、お客さんが見る商品名・写真・価格のあるページです。管理画面の編集用URLを表に貼ると、他の担当者がリンクを開いても商品の説明を見られないことがあります。編集する画面へのリンクが必要なら、別の欄に分けて残します。
2.説明の最初に、質問への答えを置く
質問と根拠がそろったら、ECの管理画面で、その商品の説明欄を開きます。使っているサービスによってボタン名は違いますが、直す対象はトップページの紹介文ではなく、選んだ商品の説明です。
まず「何が分かれば買うか決められるか」を考え、その答えを先に書きます。以下は文章の組み立てを示す例で、LogoClothzの納期や、自社でそのまま約束してよい条件ではありません。
| 説明が足りない書き方 | 根拠をそろえてから書く内容 |
|---|---|
| 短納期に対応しています | 製作日数の起点、通常の日数、配送にかかる日数 |
| サイズを豊富に用意しています | どこを測ればよいか、その寸法に合う商品 |
| 返品についてはお問い合わせください | 返品できる場合、できない場合、連絡の期限と窓口 |
納期なら「デザインの承認後に製作を開始します」のように、数え始める場面を示します。そのあとに、自社で確認した日数と例外を加えます。「○日」は原稿用の空欄としても公開せず、値が決まってから掲載します。
「通常は発送まで何日か」と「希望の日までに届くか」は別の質問です。配送先や在庫で答えが変わるなら、その違いも書きます。間に合うと約束できない場合は、注文前に納期を調べる方法へつなぎます。
AIに下書きを任せる場合は、次の指示に、使用を認めた自社資料を添えます。これは当方が作った編集用の指示です。
この商品の購入前に「[実際の質問]」と聞かれています。
添付した現行資料だけを使って、商品説明の追記案を作ってください。
最初に答え、そのあとに条件、例外、次に見るページを書いてください。
資料にない日数・価格・対応範囲は作らず、私への確認事項にしてください。
各文の根拠に使った資料名と箇所も、本文とは別に示してください。
AIが作った案を読み、日数・金額・返品条件を元の資料と照合します。文章が自然でも、根拠のない約束が増えていたら、そのまま公開しないようにします。

3.説明を読んだ人が、次のページへ進めるか試す
編集を保存したら、お客さんと同じ公開ページを開き、追記した箇所からリンクを押します。ログインしない別のウィンドウでも開くと、管理者だけが読める状態に気づきやすくなります。
試すのは、追記した回答に関係するリンクです。サイズの答えなら対応する商品のページ、返品の答えなら現行の返品規定へ進めるかを見ます。表示されたページの名前とURLが、意図したものかも読みます。
- ページが見つからない場合は、今使っているページのURLへ直す。
- 古い商品や別の商品が出た場合は、回答に合う商品へリンクを張り直す。
- ページは開くが答えがない場合は、リンクの表示名を変えるだけで済ませず、必要な説明を追記する。
- 画像が出ない場合は、現在利用できる画像を指定し、スマートフォンでも表示を見直す。
注文ボタンを押す前までの道筋も見ます。説明では選べると書いているサイズが、商品選択欄にはない。返品規定では受け付けると書いているのに、商品説明では不可になっている。こうした食い違いがあれば、担当者と正しい条件を決めて両方を直します。動作を見るために本番で注文を確定する必要はありません。
4.「AIに紹介されたか」と「買われたか」を追う
公開後は、二つの変化を分けて見ます。一つは、狙った質問に対してAIが自社のページを紹介するか。もう一つは、AI経由で来た人が商品を購入するかです。片方が増えても、もう片方が増えるとは限りません。
AgentSignalを使う場合は、AI分析の画面を開きます。ログイン後、調べたい自社ページのURLを入力し、「手動入力」で今回の質問を追加します。使用するAIと試行回数を選び、必要なクレジットを見て「分析開始」を押します。
結果では、質問ごとの回答と引用元を開きます。引用元は、AIが根拠として示したページです。狙ったページが出なければ、紹介されたページにどんな答えがあり、自社の説明には何が足りないかを読み比べます。同じ質問・AIなどの条件を残して継続して見ると、一度だけ回答を眺めるより変化を追いやすくなります。ただし、一般の利用者に出るすべての回答を再現する機能ではありません。
購入については、EC側の注文記録と、GA4などのアクセス解析を使います。GA4はGoogleのアクセス解析サービスです。トラフィック獲得レポートの公式案内に沿ってレポートを開き、訪問単位の参照元を見ます。参照元とは、その訪問がどこから来たかを表す情報です。[3]
売上を比べるには購入の計測設定も必要です。まだ設定していない場合、記事を公開してからの訪問数だけで「売上が伸びた」とは言えません。具体的な集計はAI経由の訪問と購入をGA4で調べる手順で説明しています。
| 公開後に見えた変化 | 次に調べること |
|---|---|
| 紹介されるが、訪問が増えない | AIの回答内に開けるリンクがあるか、紹介先がどのページか |
| 訪問は増えたが、購入は増えない | 商品条件の不足、在庫、送料、注文途中の不具合 |
| 購入が増えた | 同時期の広告、値引き、季節需要、計測設定の変更 |
最初に直すのは一本で構いません。「この商品で合うか」と迷っている人へ、根拠のある答えを返し、その商品へ進めるようにする。その変更日と内容を残しておけば、次に何を直すべきかも、訪問や注文の記録と一緒に考えられます。
よくある質問
- Q. 19本の記事を書けば同じ成果が出ますか?
- いいえ。LogoClothzの報告は一社の事例で、記事の効果だけを切り分けた実験ではありません。まず自社でよく聞かれる質問を選び、商品説明を直して変化を追います。
- Q. NotebookLMを使わないとできませんか?
- 使わなくても取り組めます。大切なのは、現行の商品資料をもとに答えを書き、根拠がない納期や条件を加えないことです。
- Q. AIに紹介されることと売上は同じ指標ですか?
- 違います。AIの回答での紹介、サイトへの訪問、購入を分けて計測します。紹介が増えただけでは、売上が増えたとは言えません。
出典・参考データ
- [1] LogoClothz AI Inbound: A 90-Day Before-and-After Report (AI With Rye) — 取得 2026-09-17
- [2] How to Use NotebookLM for AEO: A Beginner’s Build Log (AI With Rye) — 取得 2026-09-17
- [3] トラフィック獲得レポート / Traffic acquisition report (Google) — 取得 2026-09-17
この記事を書いた人
水島 翔吾株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者
AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。
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