同じ質問なのに、おすすめ企業が変わる。7万件のAI回答から考えるAIOの測り方

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同じ質問なのに、おすすめ企業が変わる。7万件のAI回答から考えるAIOの測り方

7万件超のAI回答を調べた海外研究をもとに、顧客の使い道や予算を質問へ入れて比べる方法を提案。質問例、記録表、ページ改善の具体例を使い、名前の掲載・リンク・説明の正しさ・訪問を分けて確認します。

AIで自社が紹介されるかを調べるなら、質問に「誰が、何のために探しているか」も入れて比べてください。同じ商品を探す質問でも、条件によって紹介される企業が変わるためです。

「AIに聞いたら競合は出たのに、うちは出なかった」。そう聞いてページを書き直す前に、その質問がお客さんの買い方に合っていたかを確認したいところです。安さを重視する人と、毎日使う道具の丈夫さを重視する人では、同じ「おすすめ」を聞いても探しているものが違います。

2026年9月9日に公開された海外調査では、ChatGPT、Claude、Geminiの回答71,147件を分析しています。質問に書く人物の条件を変えると、紹介されるブランドや引用元にも違いがありました。[1]

この記事では調査の要点を短く紹介し、自社の見込み客に合う質問を作り、結果をページの改善につなげる手順を提案します。ここで使う質問や記録表は、読者が試すために作った例です。

調査で変えたのは「質問に書く人物の条件」

調査の対象は衣料品、家具、クレジットカードです。2026年8月11〜24日に、年齢、収入、職業、性別のいずれかの条件を質問文へ加えて回答を集めています。[1]

マーケティングでは、想定するお客さんの人物像を「ペルソナ」と呼びます。ただし、この調査はAIが利用者の収入を勝手に読み取った実験ではありません。人物の条件を質問に書いた場合の違いを調べています。

異なる人物の条件で比べると、回答に出たブランドの重なりは約4分の1でした。同じ条件で繰り返した場合も約5分の2にとどまっています。質問の条件による違いに加え、繰り返し答えさせても結果が揺れる点を見落とせません。[1]

これは「4分の3のお客さんが別の商品を買う」という意味ではありません。調べたのは回答の中身であり、購入の記録ではないからです。調査会社自身による報告で、AgentSignalが同じ実験を再現した結果でもありません。

同じ商品を探していても、使う目的や予算によって確かめたいことが変わる様子。質問設計のための説明例です。

自社のお客さんが「選ぶときの条件」を集める

例えば、通勤バッグを扱う店なら、次のような相談が考えられます。

  • 雨の日に歩くので、中の書類をぬらしたくない
  • パソコンを持ち運ぶので、重さと収納が気になる
  • 初めての就職なので、予算内で仕事に使えるものを探したい

これは架空の例です。自社で使うときは、実際の問い合わせや店頭での相談から、購入を決める条件を拾います。年齢だけを見て「この人は安い商品が好きだろう」と決めつける必要はありません。

使い道、予算、必要な機能、買うまでに解決したい不安。この四つを手がかりにすると、ページへ何を書くかにもつながります。

お客さんの相談 質問に含める条件 ページに必要な情報
雨の日も使いたい 徒歩通勤、雨、書類を入れる 水への強さ、使える場面、注意点
持ち歩くと疲れる パソコンを収納、軽さを重視 本体の重さ、収納できる寸法
予算を超えたくない 予算の上限、仕事用 税込価格、送料、追加費用

表の三つを、そのまますべての店に当てはめる必要はありません。まずは実際に多い相談を一つ選んでください。自社が提供できない条件まで含めて検索しても、その質問で紹介されないことを不具合とはいえません。

1.比べる質問を、同じ商品の範囲で作る

次は、お客さんがAIへ入力しそうな文章にします。最初の質問には一般的な探し方を置き、次の質問で条件を一つ足します。

基本の質問:仕事用の通勤バッグを選ぶとき、どんな商品が候補になりますか?

条件を足した質問:雨の日に徒歩で通勤します。書類を入れる仕事用バッグを選ぶとき、どんな商品が候補になりますか?

この例で調べたいのは、「雨の日」という使い道を伝えると、紹介される商品や理由が変わるかです。さらに価格、年齢、色、素材まで一度に変えると、どの条件が関係したのかわからなくなります。

自然に見つかるかを調べる回では、自社名や自社URLを質問に入れません。「この店を紹介して」と頼んだ結果と、お客さんが条件だけで探した結果は、別のものとして記録します。

なお、この質問例は特定の商品の性能を保証するものではありません。実際の回答に「防水」などの説明が出た場合は、商品の公式情報と照合してください。

2.使うAIと検索の条件をそろえる

質問ができたら、計測に使うAIサービスを決めます。比較中にサービス、言語、地域、検索機能の有無を変えると、質問の条件による違いと混ざってしまいます。

同じサービスでも、過去の会話を引き継いでいるかどうかで、入力の前提がそろわないことがあります。利用環境で新しい会話を始められるなら、同じ方法で始めます。設定をそろえられない部分は、記録に残します。

最初に決めておくのは、次の項目です。

項目 記録のしかた
質問 実際に送る文章を保存し、途中で書き換えない
利用環境 サービス名、確認できるモデル名、言語、地域
検索機能 有効・無効・確認できない、のいずれかを残す
実施日時 日付だけでなく、比較した時間帯も残す
会話の開始方法 新しい会話か、過去のやり取りを含むか

モデルとは、回答を作るAIの種類です。画面や利用方法によって名称を確認できない場合は、「不明」と書きます。わからない設定を推測でそろえたことにしないでください。

3.「名前」「リンク」「説明の正しさ」を別々に確認する

回答が返ったら、会社名や商品名が出たかを見ます。次に、その名前から自社ページへ進めるリンクがあるかを確かめます。最後に、価格や使い道の説明が正しいかを読みます。

名前が載っても、すでに終了した商品をすすめていれば、そのまま喜べません。逆に、本文で強く推薦されていなくても、参考リンクから詳しい条件を読みに来る人はいるかもしれません。

次の表は記録の型です。空欄を実際の結果で埋めて使ってください。

質問の条件 自社名・商品名 自社ページへのリンク 説明の誤り 回答の保存先
仕事用バッグ 計測後に記入 計測後に記入 計測後に記入 計測後に記入
雨の日の徒歩通勤 計測後に記入 計測後に記入 計測後に記入 計測後に記入

1回の手作業は、質問や記録方法を試す用途に向いています。ただし、その1回を毎日の露出や市場全体の評価にはできません。継続して比べるときは、同じ質問を定期的に計測し、回答と条件をまとめて残せる運用が必要です。

質問を固定し、回答を保存して、同じ条件で繰り返し変化を確認する流れ。

4.紹介されなかった条件を、ページの点検に使う

雨の日の質問では紹介されず、一般的な質問では紹介されたとします。すぐに「雨に強い」と書き足すのではなく、自社商品がその用途に本当に合うかを確認します。

合うなら、その根拠がページにあるかを調べます。「毎日使いやすいバッグです」だけでは、雨に関する条件は読み取れません。確認済みの素材や試験結果、注意点があるなら、それを具体的に載せる候補になります。

例えば、重さを知りたい人に向けた説明なら、次のように考えます。数値は説明用の仮定で、実際には自社で確認した値へ置き換えます。

あいまいな説明:軽くて使いやすいバッグです。

確認した情報を入れる例:本体は650g。13インチのパソコンを入れる内側ポケットがあります。収納できる寸法は商品画像のサイズ表をご確認ください。

ページを変える理由は、AIに好かれそうな単語を増やすことではありません。お客さんが買う前に知りたい条件へ、根拠のある答えを用意することです。

Googleも、独自の情報と明確な根拠を持つ、読者の役に立つ内容を勧めています。[2] 説明を具体化するときも、確認できない性能は足さないでください。

変更した日と箇所を残し、同じ条件で再び計測します。結果が変わっても、すぐに「この一文で引用が増えた」とは断定せず、回答の揺れや他の変更も確かめます。

GoogleはAI検索にも通常の検索対策の基本が有効で、重要な内容は文章で読めるようにすることを案内しています。[3] AI用の言い回しを探す前に、お客さんが必要な条件を読めるか確認しましょう。

AIで紹介された後、問い合わせまで進んだかを見る

AIOは、AIの回答で自社や商品を見つけてもらうための取り組みです。ただし、回答の中に出ることと、サイトへ来ること、購入・問い合わせに進むことは別々の出来事です。

AgentSignalのAIO計測ガイドで計測の始め方を確認し、サイトへの訪問はタグの設置から準備できます。この記事で提案した人物条件ごとの比較を、すべて自動で設定する機能があるという説明ではありません。

例えば、予算を含む質問から来た人が料金ページで止まるなら、追加費用の説明が足りない可能性があります。使い道を含む質問から来た人なら、対応できる条件や具体例への導線を見直す候補になります。どちらも、実際の訪問や問い合わせの内容を確認してから判断します。

まず一つ、よく受ける相談を質問にしてみてください。「自社が出たか」だけで終わらず、「そのお客さんが選ぶための情報を出せているか」まで確かめると、次に直すページを選びやすくなります。

よくある質問

Q. AIが利用者の収入を読み取った調査ですか?
違います。人物の条件を質問文に加えた実験です。AIが本人の属性を自動で特定した結果ではありません。[1]
Q. 同じ質問なら毎回同じ結果になりますか?
調査では同じ人物条件で繰り返した回答にも違いがありました。単発の結果を継続的な露出の評価にしないことが大切です。[1]
Q. 最初に何をすればよいですか?
実際に多い相談を一つ選び、基本の質問と条件を一つ加えた質問を作ります。自社名を入れない比較と、名前を指定した確認は分けて記録します。

出典・参考データ

  1. [1] Do Answer Engines customize responses to different personas? (Profound) — 取得 2026-09-19
  2. [2] Creating helpful, reliable, people-first content (Google) — 取得 2026-09-19
  3. [3] AI features and your website (Google) — 取得 2026-09-19

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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