LLMOツールの選び方:引用・訪問・ページ診断で何を測れるか

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LLMOツールの選び方:引用・訪問・ページ診断で何を測れるか

LLMOツールが測るのは、AI回答での引用、AI経由の訪問、ページ設定の3種類です。Search ConsoleやBingの無料の公式データで分かる範囲を確認したうえで、有料の引用計測ツールを比べる軸を紹介します。

LLMOツールが測るものは、大きく分けて「AIの回答での引用」「AI経由の訪問」「ページの設定」の3つです。 同じ「AI可視性」という言葉で紹介されていても、中身は別のデータです。

例えば、上司から「AI対策のツールを入れたい。どれがいい?」と聞かれたとします。先に決めるのは製品名ではなく、何を知りたいかです。

この記事では、GoogleとBingの無料の公式データで分かる範囲を先に確かめます。そのうえで、足りない部分を補う有料ツールの比べ方を紹介します。情報は2026年9月23日時点です。

LLMOツールが測れる3つのもの

LLMOツールは、引用・訪問・ページ設定のどれか、または複数を測ります。 LLMOは、ChatGPTなどのAIの回答で自社を正しく紹介してもらうための取り組みです。

3つの違いを表にまとめます。

測るもの 分かること 分からないこと 主なデータの出どころ
AIの回答での引用・言及 質問に対し、回答に自社ページのリンクや社名が出たか その回答を何人が見たか 公式レポート、引用計測ツール
AI経由の訪問 AIのリンクから何人が来て、サイトで何をしたか その人がAIに何を質問したか 計測タグ、GA4などのアクセス解析
ページの設定 AIや検索がページを読める状態か 実際に引用されるか ページ診断、Search Console

この3つは、互いに置き換えられません。回答での引用が増えても、訪問が増えるとは限りません。ページ診断の点数が上がっても、引用されるとは限りません。

ツールの紹介ページを読むときは、「このツールは3つのうちどれを測るのか」を最初に確かめます。これだけで、比べる候補がかなり絞れます。

LLMOツールが測る3つのものの図。AIの回答での引用、AI経由の訪問、ページの設定が別々の道として並び、それぞれ分かることと分からないことが添えられている。引用が増えても訪問が増えるとは限らないことを、途切れた矢印で示している。

無料で使える公式データ

有料ツールを入れる前に、GoogleとBingの無料レポートで、表示と引用の一部を確認できます。 どちらも、自社サイトの所有を確認して登録しておく必要があります。

レポート 対象 分かること 分からないこと
Search Consoleの生成AIレポート GoogleのAIによる概要、AIモード 自社ページが表示された回数 回答の文章や競合のページ
Bing Webmaster ToolsのCitation Share Copilot、Bing、一部の提携AI 質問ごとの引用に占める自社の割合 競合のドメイン名、訪問数

無料データは、サービスの提供元が自社の画面について出している数字です。ChatGPTやPerplexityでの引用は、このどちらにも含まれません。

無料の公式データが見られる範囲の図。Search Consoleの生成AIレポートはGoogleのAIによる概要とAIモード、Bing Webmaster ToolsのCitation ShareはCopilot・Bing・一部の提携AIを対象とし、ChatGPTとPerplexityはどちらの範囲にも入っていない。

Search Consoleの生成AIレポートで分かること

Googleは2026年6月3日に、生成AI機能での表示を確認できるレポートを発表しました。2026年8月31日には、全世界のすべてのサイトへの提供が完了したと追記しています [1]。

このレポートでは、GoogleのAIによる概要とAIモードで、自社ページのリンクが表示された回数を確認できます。表示回数は、ページ・国・デバイス・日付ごとに分けて見られます [2]。GoogleのDiscoverでのAI機能は別のレポートにまとまっていて、デバイス別の表示は検索のレポートだけにあります [1]。クリック数や検索語を見られるかは、画面とヘルプで確かめてください。

始め方は次のとおりです。

  1. Search Consoleを開き、自社サイトのプロパティを選びます。
  2. ヘルプページにある「Open the Generative AI performance report」のリンクからレポートを開きます。
  3. 「ページ」の表で、表示回数の多いページと少ないページを確認します。

レポートが見つからない場合は、生成AI機能での表示がまだ十分にない可能性があります。試験中のSearch Labsのデータは含まれません [2]。

データを書き出すと、画面で「~」や「-」と出ていた値は0になります [2]。書き出したファイルだけを見て、「表示されなかった」と決めないようにします。

BingのCitation Shareで分かること

Bingは2026年6月16日に、Bing Webmaster ToolsのAIに関するレポートへ、Intents・Topics・Citation Share・Compareの4機能をpreview(試験提供)として追加しました [3]。

Citation Shareは、AIが回答の根拠を探すために使った特定の検索(grounding query)で表示された引用全体のうち、自社サイトへの引用が占める割合です [3]。「何回の回答のうち何回引用されたか」を数える一般的な引用率とは、分母が違います。例えば、ある質問で表示された引用が10件、そのうち自社が2件なら20%、という考え方です(説明用の例)。

Bingは、この数字を順位や流入シェアではないと説明しています。競合のドメイン名も表示されません [3]。「競合に何%負けているか」を知る道具ではない点に注意します。

Bing Webmaster Toolsにサイトを登録すると、AIに関するレポートを確認できます。対象はCopilot、Bing、一部の提携先のAI体験です [3]。

引用観測ツールを選ぶ比較軸

有料の引用計測ツールは、次の6つの軸で比べます。 公式データで足りない部分、例えばChatGPTでの引用を知りたい場合に検討する道具です。

比較軸 販売元に聞く質問 確認する理由
対象AI どのAIに、どの国・言語で質問しますか 顧客が使うAIと合わなければ意味がない
試行回数 同じ質問を何回聞けますか AIの回答は同じ質問でも変わる
回答全文の保存 回答の文章と引用リンクを後で読めますか 割合だけでは、何を直すか決められない
失敗の扱い 回答を取得できなかった回は、分母に入りますか 失敗を「引用なし」と数えると数字が下がる
取得方法 API経由ですか、画面の操作ですか 利用者が画面で見る回答と条件が同じとは限らない
料金単位 質問数、AIの数、回数のどれで課金されますか 質問を増やしたときの費用を見積もれる

説明を受けるときは、自社で実際に知りたい質問を一つ持ち込みます。用意された成功例だけでなく、自社が引用されない場合に何が画面に残るかを見せてもらいます。

数字の割合だけでなく、「何回中何回か」を併記できるかも確認します。5回中1回と100回中20回は、同じ20%でも意味が違います。

引用観測ツールを比べる6つの軸の図。対象AI、試行回数、回答全文の保存、失敗の扱い、取得方法、料金単位を販売元に聞く質問として並べ、横に5回中1回と100回中20回がどちらも20%になる説明用の例を示している。

AI経由の訪問とページ診断の道具

訪問は計測タグやGA4で、ページの設定は診断ツールとSearch Consoleで確認し、引用の数字とは別に記録します。

AI経由の訪問は、AIの回答にあるリンクから人がサイトへ来た記録です。GA4などのアクセス解析や計測タグで、どのAIサービスから来たかを確認します。ただし、来た元の情報が残らない訪問もあり、すべてを数えられるわけではありません。

ページの設定では、まず検索やAIがページを読める状態かを確かめます。ChatGPTの場合、OAI-SearchBotを拒否したサイトは、ChatGPTの検索回答に表示されません。ただし、移動用のリンクとしては出る場合があります [4]。

学習用のGPTBotは別の設定で、GPTBotを止めてもOAI-SearchBotの許可とは独立しています [4]。詳しくはAIクローラーの違いの解説で確認できます。

GoogleのAIによる概要やAIモードには、追加の技術要件はありません。インデックスされ、検索結果で説明文を表示できるページが対象です [5]。特別なAI用ファイルを作る前に、通常の検索に出る状態かを確かめます。

AI経由の訪問とページの設定を別々に確認する図。上の段では、AIの回答のリンクから来た人を計測タグやGA4で記録し、来た元が分からない訪問もあることを示す。下の段では、ChatGPTの検索回答に関わるOAI-SearchBot、学習用のGPTBot、GoogleのAIによる概要に必要な検索への掲載を、別々の確認項目として並べている。

目的別のツールの組み合わせ例

まず無料の公式データ、次に引用観測、最後に訪問計測の順で、必要なものだけを足します。 以下は説明用の架空の会社です。

会社の例(架空) 知りたいこと 組み合わせ
A社:Googleからの集客が中心 AIによる概要に自社ページが出ているか Search Consoleの生成AIレポートのみで開始
B社:顧客がChatGPTで比較している 比較の質問で自社が引用されるか 公式データ+引用観測ツール
C社:問い合わせ数を報告したい 引用が問い合わせにつながったか 公式データ+引用観測+計測タグやGA4

最初から全部そろえる必要はありません。公式データで分かったことと、分からなかったことを書き出し、足りない部分だけを補います。

目的別のツールの組み合わせを示す説明用の例。A社は公式データだけ、B社は公式データと引用観測ツール、C社は公式データ・引用観測・計測タグやGA4と、知りたいことに合わせて一段ずつ積み上げている。

AgentSignalでは、AI引用率の機能でChatGPT・Gemini・Perplexity・Claudeに質問し、自社の引用と引用元を記録できます [6]。Claudeは有料プランで使えます。1つのAIに1回質問するごとに2クレジットを使います。最初に作ったチームには、初期クレジットが付きます。

AI経由の訪問は計測タグを設置した「AI流入」で、ページの状態は無料のURL診断で確認します。操作の流れはAI引用率の使い方にまとめています。プランごとの料金は、契約前に料金ページで確認してください。

どのツールを使う場合も、引用・訪問・ページ設定を一つの点数にまとめず、別々の列で記録します。そうすると、次にどこを直すかを選びやすくなります。

よくある質問

Q. 無料ツールだけで始められますか?
始められます。Search Consoleの生成AIレポートでGoogleのAIによる概要とAIモードでの表示回数を、Bing Webmaster ToolsでBingやCopilotでの引用を確認できます。ChatGPTなど他のAIでの引用を継続して見たい場合に、有料ツールを検討します。
Q. ツールの引用率とChatGPTの画面が違うのはなぜですか?
AIの回答は同じ質問でも変わるためです。ツールがAPI経由で取得しているか、どの国・言語で質問しているかによっても条件が違います。比べるときは、質問文・対象AI・回数・日時をそろえ、回答全文も読みます。
Q. BingのCitation Shareは競合との比較に使えますか?
競合のドメイン名は表示されません。Bingは順位や流入シェアではない観察用の指標と説明しています。自社の引用の割合が時期によってどう変わるかを見る用途に向いています。

出典・参考データ

  1. [1] Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  2. [2] Generative AI performance report (Search) (Google Search Console Help) — 取得 2026-09-23
  3. [3] New AI Visibility Insights in Bing Webmaster Tools: Intents, Topics, Citation Share, Compare (Microsoft Bing) — 取得 2026-09-23
  4. [4] Overview of OpenAI crawlers (OpenAI) — 取得 2026-09-23
  5. [5] AI features and your website (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  6. [6] AgentSignal の機能一覧 (AgentSignal) — 取得 2026-09-23

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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