検索1位でもAIに引用されない?クエリファンアウトの仕組み

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検索1位でもAIに引用されない?クエリファンアウトの仕組み

クエリファンアウトとは、AIが一つの質問に答えるため関連する検索を複数行う場合がある仕組みです。検索1位でも引用されない理由、自社ページで答えるべき関連質問、Search ConsoleとBingで観測できる範囲を説明します。

クエリファンアウトとは、AIが一つの質問に答えるために、関連する複数の検索を行う場合がある仕組みです。 GoogleはAIによる概要とAIモードで、この手法を使う場合があると説明しています [1]。

たとえば「雑草だらけの芝生を直すには?」と聞かれたとき、AIは「芝生向けの除草剤」「薬を使わない雑草の取り方」「雑草の予防」なども調べて回答をまとめることがあります。これはGoogleが公式ガイドで示している例です [2]。

そのため、元の検索語で1位のページだけが回答の材料になるわけではありません。検索順位は高いのに、AIの回答には競合しか出ない。そんな場面が起きるのは、このためです。

クエリファンアウトとは

クエリファンアウトは、元の質問を小さなテーマに分け、それぞれを検索して集めた情報から回答を作る方法です。分けた後の検索は「サブクエリ」とも呼ばれます。

説明用の例。「雑草だらけの芝生を直すには?」という1つの質問が、「芝生向けの除草剤」「薬を使わない雑草の取り方」「雑草の予防」の3つのサブクエリに分かれる。それぞれで集めたページから、参考リンク付きの1つの回答がまとめられる流れ図。

Googleによると、AIによる概要とAIモードは、関連する検索をテーマごとに行い、通常の検索より幅広い参考ページを回答に示せるようにしています [1]。また、二つの機能は使うモデルや方法が違うため、同じ質問でも表示されるリンクは変わります [1]。

段階 起きること サイト側にとっての意味
分ける 元の質問を関連する検索に分ける 元の検索語以外でも見つかる必要がある
集める Google検索に登録されたページから候補を集める 検索に登録され、説明文付きで表示できることが前提 [1]
まとめる 集めた情報で回答と参考リンクを示す 選ばれる細かい基準は外から断定できない

AIモードは2025年9月に日本語へ対応しました [10]。

大切なのは、AIが内部で何を検索したかを当てることではありません。顧客の質問に関係する疑問に、自社ページが答えているかです。

Googleは、自社のAIによる概要やAIモードに出るために特別なファイルや構造化データは不要で、通常のSEOの基本がそのまま当てはまると説明しています [1]。

検索順位とAIへの掲載は別に調べる

検索順位と、AIの回答で引用されたかは、別々に確認します。片方が良くても、もう片方が良いとは限りません。

Ahrefsのデータを報じた記事によると、86万3千のキーワードと400万件のAIによる概要のURLを調べた結果、引用されたページのうち同じ検索語で上位10位に入っていたのは38%でした [3]。11〜100位は31.2%、100位より下は31.0%です [3]。

同社の2025年7月の調査では76%でした。ただし、Ahrefsはその後に集計方法を改善しており、二つの数字は直接比べられないと説明されています [3]。「半分に減った」と単純に読まないことが大切です。

この数字は、関連する検索から選ばれたページがある可能性を考える材料になります。ただし、どのページがどのサブクエリで見つかったかまでは分かりません。

2列の比較図。左の「検索順位」の列には、元の検索語での順位の一覧がある。右の「AIの回答での引用」の列には、引用された参考リンクがある。引用の一部は上位10位の外のページから来ており、どのサブクエリで見つかったかは「?」で示されている。

通常の検索対策は引き続き必要です。Googleは、生成AI機能への対策も検索全体への対策であり、SEOだと説明しています [2]。

クエリファンアウトの結果をSearch ConsoleとBingで観測する

AIが内部で追加した検索語そのものは、サイト側からは見えません。ただし、その結果として自社のページが表示・引用されたかは、Search ConsoleとBing Webmaster Toolsで一部を確認できます。

左右に分けた図。左の「サイトからは見えない」側には、AI内部で分かれた検索語が伏せ字の検索欄として描かれている。右の「一部を確認できる」側には2枚のパネルがある。「Search Console」のパネルには「表示回数 ページ・国・デバイス・日付」、「Bing Webmaster Tools」のパネルには「質問の種類・テーマ 引用の割合」と書かれている。

GoogleはSearch Consoleに生成AIのパフォーマンスレポートを追加し、2026年8月31日に全世界のサイトへの展開を終えたと追記しています [4]。AIによる概要とAIモードで自社のURLが表示された回数を、ページ・国・デバイス・日付ごとに確認できます [5]。表示回数が少ないサイトでは、レポートが表示されない場合があります [5]。Discover向けのレポートは別にあり、デバイス別の表示はSearchのレポートで使えます [4]。

Bingは2026年6月16日、AI PerformanceレポートにIntents・Topics・Citation Share・Compareのプレビュー提供を始めました [6]。Intentsは、引用のもとになった質問を「情報収集」「購入検討」などの種類に分けます [6]。Topicsは、関連する質問をテーマごとにまとめて見せます [6]。

Citation Shareは、特定の質問でAIが示した引用のうち、自社サイトが占める割合です。検索順位や流入のシェアではなく、競合のドメインも表示されないとBingは説明しています [6]。

道具 分かること 分からないこと
Search Consoleの生成AIレポート ページごとの表示回数、国、デバイス、日付 [5] AIが内部で行った検索語
BingのIntents・Topics 引用された質問の種類とテーマ [6] Googleでの表示
BingのCitation Share 質問ごとの自社引用の割合 [6] 順位、流入、競合の名前
BingのCompare 前の期間との比較 [6] 変化の原因

どちらも、結果を見るための道具です。数字が変わっても、それだけで原因は決まりません。

一つの質問から広がる検索の例とページ構成

一つの質問から広がりそうな疑問を想定し、自社ページが答えているかを確かめます。下の表は、ページを見直すための想定例です。実際に観測した検索語ではありません。

元の質問を「従業員50人の会社におすすめの勤怠管理ツールは?」とします。

想定される関連の疑問 答えるページ
50人規模で必要な機能は? 機能の解説
打刻方法にはどんな種類がある? 打刻方法の比較
料金の目安は? 料金ページ
給与ソフトと連携できる? 連携一覧
導入にどれくらいかかる? 導入手順

全体を案内するページから詳しいページへリンクし、詳しいページからも全体へ戻れるようにします。読者が必要な情報へ進みやすくなります。

説明用の例。中央の「勤怠管理ツールの案内ページ」から、「機能の解説」「打刻方法の比較」「料金ページ」「連携一覧」「導入手順」の5つのページへ双方向の矢印が伸びている。上には元の質問「従業員50人の会社におすすめの勤怠管理ツールは?」が置かれている。

ただし、Googleは、関連する検索の言い回しごとに別ページを作ることを、主に順位を操作する目的なら、スパムポリシー違反になると注意しています [2]。短い補足は同じページに置き、独立した作業だけを別ページにします。

各ページでは、最初の段落で質問に答えます。Surferが2026年6月にAIによる概要から集めた10万件の引用では、38%がページの最初の100語から引用されていました [7]。語数で数えた相関データで因果は示していないため、日本語の文字数の目標にはしません。

長さだけでは決まりません。Ahrefsが17万4千ページを分析した結果では、AIによる概要に引用されたページの53.4%が1,000語未満でした [9]。

Citeraの米国のB2B SaaS調査では、比較の検索語の87%、質問形式の検索語の83%でAIによる概要が表示されていました [8]。比較や疑問文の質問から点検を始めると、手を付けやすくなります。

質問例と記録の付け方はLLMO・GEO・AEO・AIOの違いは?AI対策の用語を整理で紹介しています。

修正後の回答と訪問を確認する

ページを直した後は、AIの回答、GoogleとBingでの表示や引用、サイトへの訪問を、別々の記録として確認します。

  1. 修正前に、対象の質問、使ったAI、日時、回答に出たリンクを記録します。
  2. 同じ質問を同じAIに複数回聞き、自社が出た回数を「5回中○回」のように残します。
  3. Search Consoleの生成AIレポートで、直したページの表示回数を、修正前後の同じ長さの期間で比べます [5]。
  4. BingのCompareで、前の期間と比べます [6]。
  5. アクセス解析で、AIサービスからの訪問と、問い合わせや申し込みを分けて見ます。

表示や引用が増えても、修正が原因だとは言い切れません。AI側の変化、競合ページの更新、季節も影響します。変更したページと日付を残し、確認できた範囲で報告します。

修正日を境にした前後比較の図。「修正前」と「修正後」の記録が、「AIの回答」「GoogleとBingでの表示・引用」「訪問・申し込み」の3行に分かれている。横には「AI側の変化」「競合ページの更新」「季節」という、ほかの要因を示すタグが置かれ、「原因は言い切れない」と添えられている。

AIが学習した知識と回答時の検索の違いは、LLMOとは?で説明しています。

よくある質問

Q. AIが追加で検索した言葉は分かりますか?
サイト側からすべてを知ることはできません。Search Consoleの生成AIレポートでは表示されたページと表示回数、BingのIntentsやTopicsでは引用された質問の種類やテーマを確認できます。内部の検索語は想定として扱います。
Q. BingのCitation Shareは検索順位ですか?
いいえ。特定の質問でAIが示した引用のうち、自社サイトが占める割合です。Bingは順位や流入のシェアではなく、競合のドメインも表示しないと説明しています。
Q. 検索1位ならAIにも引用されますか?
引用されるとは限りません。AIは関連する複数の検索を行う場合があるため、順位とあわせて、関連する疑問に自社ページが答えているかを確認します。

出典・参考データ

  1. [1] AI features and your website (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  2. [2] Optimizing your website for generative AI features on Google Search (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  3. [3] Google AI Overview Citations From Top-Ranking Pages Drop Sharply (Search Engine Journal) — 取得 2026-09-23
  4. [4] Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  5. [5] Generative AI performance report (Search) (Google Search Console Help) — 取得 2026-09-23
  6. [6] New AI Visibility Insights in Bing Webmaster Tools: Intents, Topics, Citation Share, Compare (Microsoft Bing) — 取得 2026-09-23
  7. [7] Why almost 40% of AI citations come from your first 100 words (Surfer) — 取得 2026-09-23
  8. [8] An Analysis of 350,000 B2B SaaS Articles: What Predicts Google Ranking and AI Citation (Citera) — 取得 2026-09-23
  9. [9] Short vs. Long Content in AI Overviews: The Data Says Both Work (Ahrefs) — 取得 2026-09-23
  10. [10] Google’s AI Mode adds 5 new languages including Hindi, Japanese, and Korean (TechCrunch) — 取得 2026-09-23

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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