AIO活用でデモ依頼が7倍に。Mergeが取り組んだ比較記事づくり

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AIO活用でデモ依頼が7倍に。Mergeが取り組んだ比較記事づくり

MergeはAIにどんな質問をすると、どの記事が紹介されるのかを調査。実際に公開された比較記事も読み、AI検索経由のデモ依頼7倍と報告された取り組みを紹介します。

AI経由のデモ依頼が7倍になったMergeは、比較記事を書く前に「AIがすでに参考にしている記事」を調べていました。見ていたのは、紹介された会社の名前だけでなく、記事の見出し、比較の仕方、説明されている項目です。[1]

Mergeは、複数の業務サービスをつなぐ機能を提供する会社です。デモ依頼とは、担当者に製品の動きや使い方を見せてもらう申し込み。この記事は、法人向けサービスの記事を書いているのに、問い合わせや商談につながらない担当者に向けたものです。

AIOは、AIの検索や回答で自社を紹介してもらうための取り組みです。Mergeの事例をもとに、顧客の質問を選び、AIが参考にするページを読み、自社の比較記事を直すまでを順に説明します。

Mergeは、比較記事の前に何を調べたのか

2025年11月21日に公開された支援会社の事例では、Mergeは数百の質問を製品やテーマで分類し、競合7社との紹介され方を比較しています。そのうえで、質問ごとにAIが引用したページを調べました。[1]

具体例として挙げられているのが、「統合API」の比較記事です。APIはサービス同士が情報をやり取りするための窓口で、統合APIは複数のサービスとの接続を共通の窓口にまとめる仕組みです。

Mergeは、そのテーマでよく引用される記事の見出しや一覧形式、各節の内容を調べてから、自社の記事を作成。その記事は1か月で2,600回AIに言及されたと報告されています。取り組み全体では、AI検索経由のデモ依頼が7倍になったとされています。[1]

ただし、記事一本の修正による効果とは確認されていません。引用の回数を訪問者数や申し込み件数として読むこともできません。

実際の記事では「サービス名」より「選ぶ条件」を説明している

事例に出てくるMergeの比較記事は公開されています。2026年9月16日に確認した版では、統合APIの意味を説明した後、複数の製品について長所と短所を紹介しています。[2]

扱うサービスの種類、料金の考え方、連携が失敗したときの調べやすさなど、利用を決めるための情報が並びます。単に「おすすめの会社」を順位順に並べる構成ではありません。[2]

ここから学びたいのは、見出しの言い回しをコピーすることではなく、読者が申し込む前に比べる項目をそろえることです。なお、現在のページは事例公開時と同じ版とは限らず、Merge自身による他社評価を中立な調査結果として受け取ることもできません。

Mergeが行った調査。顧客の質問を分け、AIが引用した記事を読み、比較記事に生かした。デモ依頼7倍は取り組み全体についての報告

1.商談前によく聞かれる質問を、五つ選ぶ

ここからは、Mergeの調査を参考に、自社の比較記事を一本直すための手順です。公開されていない社内作業を再現したものではありません。

まず、直近の問い合わせや商談メモを読み、「契約前に同じことを何度も聞かれている質問」を五つ選びます。五つは作業を始めるための目安で、成果が出る特別な件数ではありません。

質問は、できるだけ実際の言い方を残します。「費用」だけでは何を知りたいのか分かりませんが、「月額料金のほかに、初期費用はかかりますか?」なら、必要な説明がはっきりします。

質問の種類 自社の記録から探す内容
選び方 どの用途・規模なら自社のサービスが合うのか
費用 初期費用、追加料金、人数が増えたときの負担
乗り換え 今のデータを移せるか、使い始めるまで何が必要か
対応範囲 できる仕事と、対応していない仕事
導入後 困ったときに誰へ何を相談できるか

まだ問い合わせの記録がない場合は、営業担当者が普段説明していることを出発点にします。その段階では、顧客の実際の質問と、こちらの想定を区別しておきます。

2.その質問で、AIがどのページを紹介するか調べる

AgentSignalを利用中なら、AI分析の画面を開きます。ログインとクレジットが必要です。質問候補の自動生成も使えますが、今回は選んだ質問をそのまま調べるため「手動入力」を使います。

  1. 分析したい自社サイトのURLを入力します。
  2. 「手動入力」で質問を一つずつ追加します。会社名を指定しない質問も入れると、会社をまだ知らない人への回答を調べられます。
  3. 使用するAI、言語・地域、試行回数を選び、消費クレジットを確認して「分析開始」を押します。
  4. 完了後、「想定質問 × LLM 引用率」で質問ごとの結果を見て、「ログ」から回答と引用元を開きます。引用元は、AIが根拠として示したページです。

同じ質問でも回答が変わるため、今回の結果だけで「いつも紹介される」「絶対に紹介されない」とは決めません。分析は記録された条件での観測で、一般の利用者が見るすべてのAI回答を再現するものではありません。

ここで選ぶのは、自社の売りたいサービスに関係し、自社ページの説明が不足している質問です。話題になっているだけで、顧客の検討と関係のない質問は優先しません。

3.引用されたページを開き、「答えがある場所」を比べる

選んだ質問で引用されたページを二〜三本開きます。ページ数は最初に読み比べるための目安です。次に、自社の料金ページや比較記事も開き、同じ疑問への答えを探します。

見るのは、文字数や見出しの数ではありません。そのページを読んだ人が、何を判断できるかです。

顧客の疑問 引用されたページで探すもの 自社で足す説明
費用はいくらか 金額、料金に含む範囲、追加料金の条件 自社で確認した料金と条件を同じ場所へまとめる
今のサービスから移れるか 移せる情報、必要な準備、制約 対応する移行方法と、移せない情報を書く
自社に合うか 適した用途と、向かない用途 対応できる仕事を具体化し、対象外も示す

これは記事を点検するための表です。他社に書いてある機能を、自社にもあるように書くためのものではありません。分からない項目は、製品担当者に確認してから掲載します。

4.「おすすめです」で終わる段落を、判断できる説明へ直す

例えば、自社の記事が「幅広い連携に対応しているのでおすすめです」とだけ書いてあったとします。読者は、自分が使っているサービスとつながるかを判断できません。

この場合は、次の項目を埋めて文章にします。角括弧は自社で確認して置き換える欄です。未確認のまま公開しません。

[対象のサービス名]との連携に対応しています。取り込めるのは[情報の種類]です。[対応していない情報]は別の方法で移す必要があります。利用には[プランや追加料金の条件]があります。

「安い」「高機能」といった評価を増やすより、利用条件を読んで判断できる説明に変えるわけです。比較表を作るときも、各社について同じ項目を公式ページで調べ、出典と確認日を残します。公表されていない料金は推測しません。

Googleのレビュー作成案内も、利用者が決めるうえで重要な比較項目、長所と短所、根拠を示すことを勧めています。文字数を増やすより、選ぶための説明を充実させる方針です。[3]

記事の最後には、説明の続きを確認できる実在のページを置きます。料金を比較した記事なら自社の料金ページ、対応範囲を調べた記事なら製品説明やデモ申し込みです。読んでいた疑問と次のページの内容をつなげます。

5.公開後は、引用・訪問・デモ依頼を別々に追う

公開前に、直すページのURLと変更日を残します。問い合わせフォームは、テスト環境などで送信まで確認し、ボタンを押せるだけで完了扱いにしません。

公開後は、同じ質問を同じ条件で再分析します。AgentSignalでは、AIに引用された割合や記録された回答を確認できます。一方、実際のデモ依頼は、フォームや営業管理の記録で数えます。

引用は増えたのに訪問がないなら、紹介される質問が見込み客の疑問に合っているかを見直します。訪問はあるのに依頼がないなら、料金や利用条件の説明、申し込み画面で迷う点を調べます。

Mergeの7倍という数字は、支援会社が公開した事例の報告です。同じ構成を使えば再現できるとは限りません。最初に取り入れたいのは、質問を一つ選び、引用先と自社ページを読み比べ、足りない答えを一つ補う作業です。次の記事を増やす前に、いまある記事で試せます。

よくある質問

Q. デモ依頼とは何ですか?
担当者に、製品の動きや使い方を見せてもらう申し込みです。記事を読んだ人数や、AIに紹介された回数とは違います。
Q. Mergeが書いた比較記事は読めますか?
出典の比較記事から読めます。2026年9月16日に確認したページは2026年版で、事例公開時から内容が変わっている可能性があります。[2]

出典・参考データ

  1. [1] How Merge drove a 7x increase in demo requests from LLMs with Peec AI (Peec AI) — 取得 2026-09-16
  2. [2] The best unified API platforms in 2026 (Merge) — 取得 2026-09-16
  3. [3] Write high quality reviews (Google) — 取得 2026-09-16

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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