LPOとは?広告を増やす前に見直すLPの改善順序

LPOをどこから始める?広告との一致、計測の不備、スマホの操作、フォームまでを確認し、影響・根拠・実装負担から改善の優先順位を付ける手順を解説します。
LPOとは、訪問者が最初に開くページを見直し、申し込みや購入などの成果につながりやすくする取り組みです。
例えば、広告はクリックされているのに、問い合わせが増えない場合です。
広告費を増やす前に、LPで説明が足りないのか、ボタンが見つからないのか、フォームで操作が止まるのかを調べます。
最初に直す場所は、見た目の好みではなく、成果を妨げている根拠から決めます。
この記事では、計測の確認、広告とのつながり、操作の点検、施策の優先順位、変更後の検証までを順に説明します。
最後のシートを使えば、「なぜその修正を先に行うのか」を制作担当者やクライアントに共有できます。
製品の操作説明は2026年10月4日に確認した公式資料に基づき、数値例と優先順位の付け方は当記事が提案する架空の例です。
LPOで改善する範囲を決める

LPOでは、広告を押した人が、ページの説明を理解し、必要な操作を終えられるまでを確認します。
ただし、成果が少ない原因がすべてLPにあるとは限りません。
集客とページ内の課題を分ける
最初に、広告の配信先、LPへ来た後の行動、申し込み後の対応を分けて並べます。
例えば、法人向けサービスのLPに、個人利用を探す人が多く来ている場面を考えてください。
ページを読みやすくするだけでは、対象の違いを解消できない可能性があります。
反対に、対象に合う人が来ていても、料金や申し込み条件が分からなければ、判断を先送りされるかもしれません。
以下のように、確かめる内容と担当者を分けると、LPの制作担当者だけに調査が集中するのを防げます。
| 範囲 | 最初に確かめること | 相談する相手の例 |
|---|---|---|
| 広告からLPまで | どんな人へ、何を約束しているか | 広告運用担当 |
| LPからフォームまで | 判断に必要な説明と入口があるか | 制作・マーケティング担当 |
| フォームの完了まで | 入力、エラー修正、送信ができるか | 開発・フォーム管理担当 |
| 申し込み後 | 対応できる問い合わせか、連絡できるか | 営業・顧客対応担当 |
Googleもランディングページの利便性について、広告をクリックした人の期待と、ページの関連性や操作のしやすさを挙げています。[1]
調べる範囲が決まったら、今回はどこまで直すのかを一行で残します。
成果の定義をそろえる
LPOを始める前に、何をコンバージョンとして数えるかを決めます。
コンバージョンは、事業にとって成果とする行動のことです。
問い合わせボタンのクリック、フォームの送信完了、商談の成立は、別々の出来事です。
「CVが増えた」という言葉だけでは、どの段階が改善したのか分かりません。
問い合わせを増やしたいなら、送信完了を主な成果にし、ボタンのクリックは途中の行動として追う方法が考えられます。
さらに、率を比べる場合は分母をそろえます。
訪問したセッションを分母にするのか、訪問者を分母にするのかを、計測担当者と決めてください。
例えば「対象LPから始まったセッションのうち、問い合わせを完了したセッションの割合」と書けば、比較したい範囲が明確になります。
業務システムの受信件数とアクセス解析のイベント数も、同じものとして扱わず、別の欄で確認します。
LPの現状を指標で確認する

改善前には、対象LPのURL、期間、流入元、端末、成果の定義を記録します。
この条件が残っていれば、修正後に同じ問いで振り返れます。
流入別の成果を確認する
全体平均を見るだけでは、特定の広告やスマートフォンだけにある課題を見落とすことがあります。
GA4を使っている場合は、「レポート」から「ランディング ページ」を開き、対象のURLを絞ります。[2]
レポートがメニューにない場合は、編集権限のある担当者に追加を依頼してください。[2]
次に、セカンダリディメンションへ「セッションの参照元 / メディア」を追加すると、入口のページと流入元を合わせて確認できます。[2]
調査では、広告の名前だけでなく、同じ期間にどんな配信変更があったかも残しましょう。
以下は、全体と内訳を分けるための架空の例です。
| 対象 | セッション | 問い合わせを完了したセッション | 完了した割合 |
|---|---|---|---|
| 広告経由・スマホ | 800 | 8 | 1% |
| 広告経由・PC | 200 | 10 | 5% |
| 合計 | 1,000 | 18 | 1.8% |
この表から言えるのは、同じ条件で集計した場合に、端末ごとの結果が違うということです。
スマホのデザインが原因だとまでは断定できません。
広告の内容や利用者の違いも確認しながら、まずスマホで完了まで操作できるかを調べる材料にします。
計測の不備を先に調べる
成果イベントの設定に誤りがあると、修正の効果も正しく判断できません。
例えば、送信に失敗しているのに、ボタンを押すたびに「問い合わせ完了」が記録される場合です。
この状態でボタンのクリックが増えても、実際の問い合わせが増えたとは言えません。
テストでは、成功だけでなく、未入力によるエラー、二重クリック、完了画面の再読み込みも確認します。
| テストする操作 | 確かめること |
|---|---|
| 入力不足で送信する | 失敗を完了として数えていないか |
| 正常に送信する | 受付の成功と成果イベントが対応するか |
| ボタンを続けて押す | 意図しない重複が起きないか |
| 完了画面を再度開く | 新しい申し込みとして数えていないか |
GA4のDebugViewでは、デバッグモードを有効にした端末から送られるイベントを確認できます。[3]
Google Tag Assistantのプレビューを使い、GA4の「管理 → データの表示 → DebugView」で、自分のテスト操作とイベントを照合します。[3]
同意やブラウザの条件で表示されない場合もあるため、DebugViewにないことだけで原因を決めつけず、設定担当者と確認してください。[3]
LPの訴求と説明を点検する

LPには、広告で興味を持った人が、申し込むかどうかを決めるための情報が必要です。
情報を増やす前に、何を期待して来た人に、何を説明するページなのかをそろえます。
広告で約束した内容を確認する
配信中の広告を一つ選び、広告文とリンク先の最初の画面を並べて見ます。
広告の見出し、画像内の言葉、説明文、ボタンを確認し、訪問者が期待しそうな内容を書き出してください。
例えば「無料で料金表を確認」と書いているのに、到着先では営業相談の予約だけが目立つ場合です。
料金表を見たい人にとって、次に何をすればよいか分かりにくい導線になります。
対応としては、料金表を見る入口を明確にするか、実際に提供する内容へ広告の表現を合わせます。
ページだけを書き換える前に、広告側の約束が実際のサービスと合っているかも確認します。
Googleの案内でも、広告の行動喚起と、キーワードやリンク先の内容のつながりが重視されています。[4]
スマホでは、見出しの途中で改行されても意味が通じるか、案内が固定ボタンに隠れないかも見ます。
大きな文字があることより、何ができるページかが一度で伝わることを確認してください。
料金や条件の不足を確認する
訪問者が申し込み前に知りたいことを、営業や顧客対応の担当者と整理します。
料金、対象者、利用を始めるまでの流れ、申し込み後の連絡、利用できない条件などが候補です。
例えば「無料」と案内するなら、無料で使える範囲と、料金が発生するタイミングを確認します。
条件を小さな文字へ追いやるのではなく、判断する場所の近くに置きましょう。
以下の表を埋めると、単に説明を増やす作業から、必要な答えを探しやすくする作業へ進められます。
| 訪問者の疑問の例 | 自社で確認する事実 | 置く場所の候補 |
|---|---|---|
| 自分も利用できるか | 対象業種、地域、利用条件 | サービス説明の近く |
| いくらかかるか | 初期費用、継続費用、追加料金 | 料金と申し込みの近く |
| 押した後に何が起こるか | 資料表示、登録、相談予約のどれか | ボタンの文言と周辺 |
| いつ使い始められるか | 必要な準備と対応の流れ | 導入手順の近く |
回答できない項目は、都合のよい言葉で埋めず、社内の確認先を残します。
LPの操作上の問題を調べる

必要な説明があっても、見つけられない、押せない、送れない状態では成果につながりません。
集計で気になる場所を探し、個別の操作で何が起きているかを確かめます。
ヒートマップで到達を確認する
ヒートマップは、ページ上のクリックやスクロールなどを集計して見るための道具です。
まず、対象URL、期間、端末を選び、調べたい位置を決めます。
Clarityのスクロールマップでは、ページの各位置まで到達した訪問者の割合を確認できます。[5]
料金説明や問い合わせボタンの位置に合わせて、そこまで届いているかを調べてください。
ただし、到達したことと、文章を読んで理解したことは別です。
到達が少ない場合も、長すぎる説明だけが原因とは限りません。
上部の別のボタンから先へ進んだり、必要な答えをすでに得たりしている場合があります。
期間中にレイアウトを変更したなら、変更前後のデータが混ざっていないかも確認しましょう。
SiTestのように、スクロールやクリックなどを異なるマップで確認する製品もあります。[6]
ツールの色をそのまま評価にせず、「どの操作を、どの条件で集計した図か」を説明できる状態にします。
録画でエラーを確認する
セッションリプレイは、ページ上の操作の流れを後から確認するために使います。
ヒートマップで気になったページについて、同じ端末や期間の記録を探します。
例えば、フォームの送信ボタン付近で操作が繰り返されている場合です。
ボタンが反応しないのか、入力エラーが上部に出ていて気づけないのかを、前後の操作から調べます。
Clarityには反応のないクリックなどを確認する機能がありますが、その表示だけで不具合が確定するわけではありません。[7]
自分のブラウザでも同じ操作を試し、端末、画面幅、入力条件を記録します。
| 観察したことの例 | 続けて確認すること |
|---|---|
| 同じボタンを繰り返し押す | 通信中の表示と、クリック後の応答 |
| エラー後にページを上下する | エラーの場所と、直し方の説明 |
| メニューを開いた後に進めない | 閉じる操作と、他の要素との重なり |
| 入力後に前の画面へ戻る | 戻った後に入力内容が残るか |
録画を確認するときは、対象ページのマスキングと、共有相手の範囲を設定済みであることも確かめます。
再現できる不具合が見つかったら、デザイン案の比較より先に、修正担当者へ事実を渡します。
LPO施策の優先順位を付ける

優先順位は、影響する範囲、根拠の強さ、実装の負担を別々に書いて決めます。
三つを最初から一つの点数にすると、まだ分からないことまで確かな数字に見えてしまいます。
影響と確からしさを分ける
まず、再現した不具合と、これから確かめる仮説を分けてください。
申し込みできない操作を再現できた場合と、ボタンの色が目立たないと感じた場合では、根拠の種類が違います。
影響がありそうな人数だけでなく、何を見て判断したかを残します。
以下は、優先順位を考えるための架空の例です。
| 候補 | 影響範囲 | 根拠 | 判断の例 |
|---|---|---|---|
| スマホの送信エラーを直す | 対象の入力条件で申し込む人 | 自分の端末でも再現 | 先に修正を依頼 |
| 無料の範囲をボタン付近に示す | 無料利用を検討する人 | 問い合わせで質問が繰り返される | 文案を作り、検証 |
| CTAの色を変更する | ボタンに到達する人 | 現時点では担当者の印象 | 他の根拠を集めて判断 |
どのLPでもフォームが最優先、どのLPでも最初の画面が最優先、という固定順にはしません。
そのページで確認できた問題と、まだ仮説の段階にある問題を区別することが、着手順の土台です。
分からない欄は「未確認」とし、次に何を調べるかを書きます。
実装負担を見積もる
次に、変更に必要な作業と、戻せる方法を確認します。
見出しの変更でも、翻訳、広告審査、法務確認、複数ページへの反映が必要なら、単純な文字修正では済みません。
制作担当者へは、直したい場所だけでなく、理由と完了条件を渡してください。
例えば「ボタンを大きくする」だけでは、どこまで直せばよいか曖昧です。
「スマホで固定バナーに隠れていた問い合わせボタンを、通常の操作で押せるようにする」と書けば、確認する操作が決まります。
| 作業を決める欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 変更する箇所 | ページ、要素、対象端末 |
| 変更する理由 | 観察記録、再現条件、利用者の質問 |
| 実装担当 | 制作、開発、広告運用など |
| 完了の確認 | 実際に試す操作と、期待する結果 |
| 戻す方法 | 変更前の版と、戻す担当者 |
| 結果を見る日 | 確認する期間と、判断する指標 |
必要な確認が終わり、結果を評価できる単位で、最初の施策を選びます。
LPOの改善を検証する

修正後は、ページが正しく動くかと、事業の成果につながったかを分けて確認します。
公開できたことだけを、LPOの成功とは扱いません。
同時に変えた条件を残す
ページを修正した日には、広告の配信先、予算、価格、キャンペーン、フォームの変更も記録します。
例えば、LPを変えた日に広告の配信先も広げたなら、結果の変化をLPだけの効果とは説明できません。
A/Bテストでは、元のページと変更したページを同じ期間に出し分け、決めた成果を比較する方法があります。
Ptengineも、ページの案を出し分けて仮説を検証する機能を提供しています。[8]
ただし、ツールを使えば少ない件数でも必ず判断できるわけではありません。
必要な期間や件数は、普段の成果の割合と、見分けたい差などによって変わります。
事前に主な指標と判断方法を決め、途中で都合のよい数字だけを選ばないようにします。
前後比較で確認する場合は、配信条件や曜日などの違いを記録し、原因を特定できる範囲に限界があることも共有してください。
結果が不明なら、勝敗を付けずに、観察できた事実と次の確認を残します。
CVの質まで確認する
問い合わせが増えても、対応できない依頼や連絡できない申し込みが増えたなら、事業にとって良い変更とは限りません。
LP側の完了数と合わせて、営業や顧客対応で分かる結果も確認します。
例えば、対象に合う問い合わせか、相談へ進んだか、購入後の取消が増えていないかといった情報です。
件数だけを見るために、対象者や料金の条件を曖昧にすると、申し込み後の負担が増える可能性があります。
確認する指標は、事業の目的に合わせて選んでください。
最初の施策を決めるには、次のシートをコピーして埋めるところから始められます。
| LPOの課題・優先順位シート | 自社で書くこと |
|---|---|
| 対象のLP | URLと主な流入元 |
| 増やしたい成果 | 完了条件、分母、重複の扱い |
| 現状の条件 | 期間、端末、流入、母数 |
| 確認できた問題 | 観察した操作と、再現の結果 |
| 原因の仮説 | まだ確かめていない理由 |
| 最初に直す箇所 | 変更内容と、先に選ぶ根拠 |
| 担当と公開日 | 実装・確認・判断の担当 |
| 評価するもの | 完了数、完了率、問い合わせの質 |
| 結果と次の作業 | 継続、再調査、戻す判断 |
LPOは、一度の全面改修で終わる仕事ではありません。
計測できる状態を整え、根拠のある問題から直し、同じ条件で結果を確かめる流れを作ります。
録画とヒートマップをまだ使っていない場合は、Microsoft Clarityの機能と導入条件も参考にしてください。
AgentSignalで確認する手順は、録画とヒートマップの使い方にまとめています。
よくある質問
- Q. LPOとは何ですか?
- ランディングページを見直し、申し込みや購入などの成果につながりやすくする取り組みです。
- Q. LPOでは最初に何を直せばよいですか?
- 計測を確認したうえで、再現できる不具合、説明の不足、到達しにくい導線などを調べ、根拠と影響から順序を決めます。
- Q. LPOでヒートマップを見るだけで原因は分かりますか?
- クリックや到達の傾向は確認できますが、理由は録画や実際の操作、問い合わせ内容と合わせて調べます。
- Q. LPOのA/Bテストは何日あれば判断できますか?
- 必要な期間は成果の割合や見分けたい差などで変わるため、全サイト共通の日数では決められません。
- Q. 問い合わせが増えればLPOは成功ですか?
- 件数に加え、対象に合う依頼か、商談や購入へつながったかなど、事業にとっての結果も確認します。
出典・参考データ
- [1] Landing page (Google) — 取得 2026-10-04
- [2] GA4 ランディング ページ レポート (Google) — 取得 2026-10-04
- [3] DebugView でイベントをモニタリングする (Google) — 取得 2026-10-04
- [4] Optimise your ads and landing pages (Google) — 取得 2026-10-04
- [5] Scroll maps (Microsoft) — 取得 2026-10-04
- [6] ヒートマップ解析機能 (SiTest) — 取得 2026-10-04
- [7] How to Make the Most of Your Heatmaps Data (Microsoft) — 取得 2026-10-04
- [8] Ptengine A/Bテスト (Ptengine) — 取得 2026-10-04
この記事を書いた人
水島 翔吾株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者
AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。
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