Microsoft Clarityとは?無料で使える機能と、導入前に確認したいこと

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Microsoft Clarityとは?無料で使える機能と、導入前に確認したいこと

Microsoft Clarityで何が分かる?無料の録画・ヒートマップの使い方、GA4との役割分担、保存期間、マスキング、導入後の確認手順を解説します。

Microsoft Clarityは、サイトを訪れた人の操作を、録画やヒートマップで確かめられる無料の行動分析ツールです。

「広告から人は来るのに、問い合わせが増えない」。

そんなとき、人数の集計に加えて、ページのどこで操作が止まっているかを調べる材料になります。

ただし、タグを入れるだけで改善案が正解になるわけではありません。

何を確かめるために使うのかを決め、記録された操作と、そこから考えた理由を分けることが大切です。

この記事では、Microsoft Clarityの機能、GA4との違い、無料利用の条件、導入後の確認方法を順に説明します。

最後の採用判断シートを埋めれば、自社で試す範囲と、確認を任せる担当者まで整理できます。

製品の説明は2026年10月4日に確認した公式資料に基づき、分析の例と運用シートは当記事からの提案です。

Microsoft Clarityで何を調べられる?

個別の訪問を録画で追い、複数の訪問の傾向をヒートマップで見る

Microsoft Clarityでは、訪問者ごとの操作と、ページ全体の反応を行き来しながら調べられます。

中心になるのは、操作の流れを再生する「Recordings」と、クリックやスクロールを集計する「Heatmaps」です。

公式の機能一覧には、イベント・ファネルの確認や、Copilotによる要約も挙がっています。[1]

録画で一人の操作を追う

Clarityの録画は、訪問者がページ上で行った操作を後からたどるための機能です。

Recordingsの一覧からセッションを選ぶと、再生を進めたり止めたりしながら操作を確認できます。

一覧には、入口・出口のページ、端末、クリック数などの情報があり、調べる対象を選ぶ手がかりになります。[2]

例えば、料金ページのボタンを押した後、問い合わせフォームまで進まずにページを戻った記録があったとします。

ここから分かるのは、その訪問で起きた操作の順番です。

「料金が高いと思った」とまでは分かりません。

ボタンの行き先が予想と違った可能性もあれば、後で確認しようとした可能性もあります。

まずは「料金の下にあるボタンを押した後、前のページへ戻った」と記録します。

そのうえで、同じ条件の別の録画や、実際のリンク先を確かめます。

ヒートマップで全体の傾向を見る

ヒートマップは、複数の訪問で起きた操作を、ページ上に重ねて見る機能です。

クリックされた場所を探すならクリックマップ、下まで届いているかを調べるならスクロールマップから始められます。[3]

例えば、ページの下部に問い合わせボタンがあるとします。

クリックが少ないときは、ボタンの色を変える前に、その位置まで訪問者が到達しているかを確かめます。

到達していない人が多ければ、ボタンの見た目だけでは説明できない問題です。

手前の説明が長いのか、必要な答えが上部で見つかったのかを、録画と合わせて調べます。

色が強い場所と、売上に役立つ場所は同じとは限りません。

反応の多いリンクが、目的の手続きから人を遠ざけている場合も考えられます。

調べたいこと 最初に見る機能 続けて確かめること
問い合わせボタンが押されているか クリックマップ 押した後の行き先と操作
料金説明まで到達しているか スクロールマップ 到達前に終わる録画の流れ
フォームへ進んだ後に何が起きたか 録画 入力欄やエラー表示の実際の動作

Microsoft ClarityとGA4の役割の違い

GA4で調査対象を絞り、Clarityでページ上の操作を確かめる

最初の使い分けとしては、GA4で調べる対象を絞り、Clarityで操作を確かめる方法が取り組みやすいです。

両方に集計機能はありますが、同じ数字を二つの画面で眺めるだけでは調査は進みません。

「どの集客経路に課題がありそうか」と「そのページで何が起きたか」を、一続きの質問にします。

流入と成果をGA4で確認する

GA4を使っているなら、まず調査する期間、流入経路、ページ、端末をそろえます。

例えば、広告から来たスマートフォンの訪問で、問い合わせにつながる割合を見直したい場面です。

GA4側で対象の流入と成果イベントを確認し、その条件に近い訪問をClarityで探します。

ClarityのFiltersには、期間、端末、流入元、キャンペーンなどの絞り込みがあります。[4]

ただし、日付をそろえただけで、両ツールのセッション数が一致するとは限りません。

タグが動くページや、同意の条件、対象の絞り方を先に確認します。

購入の分析では、GA4に必要なeコマースイベントが送られていることも前提です。

Googleの説明では、一般的なサイトのeコマースイベントは、計測コードを置いただけでは自動収集されません。[5]

Clarityだけでは判断できないこと

Clarityで操作を確認できても、訪問者の考えや、変更による売上の増減まで自動的に証明できるわけではありません。

例えば、説明文を短くした翌日に、問い合わせが増えたとします。

同じ日に広告の配信先も変わっていれば、説明文だけの効果とは言い切れません。

録画で分かったことと、改善の効果を比べる条件は、別に記録する必要があります。

観察したことの例 まだ断定できないこと 次に行う確認の例
同じ画像を何度か押していた 訪問者が必ず困っていた 画像の拡大やリンクが期待される形か
料金の前でスクロールが止まった 料金を見ずに離脱した 再生の続きと、別の導線への移動
変更後に問い合わせが増えた 変更だけが増加の原因 期間・流入・端末・成果の定義

ClarityとGA4の連携も、分析の前提をそろえる代わりにはなりません。

公式資料では、GA4のセグメントをそのままサポートするものではなく、再生URLをGA4へ送る機能でもないと説明されています。[6]

Microsoft Clarityの無料利用で確認する条件

通常の再生データは30日、ラベル付き・お気に入りとヒートマップは9か月

MicrosoftはClarityを無料で提供し、料金ページではトラフィックの上限や有料版への強制移行がないと案内しています。[7]

一方で、無料という説明は、すべてのサイトで無条件に使えることや、録画が永久に残ることを意味しません。

導入判断では、料金、利用対象、保存期間を別々に確認します。

対象サイトと利用条件を確認する

最初に確認したいのは、自社サイトの対象者と、扱っている情報です。

Microsoftの導入資料は、18歳未満を対象としたサイトやアプリではClarityを使わないよう明記しています。[8]

そのため、学校や子ども向けサービスなどでは、無料という理由だけでタグ設置へ進めません。

会員ページ、申し込み内容の確認画面、注文履歴なども、何が表示されるかを事前に洗い出します。

利用規約や自社の情報管理方針を確認する担当者に、対象ページの一覧を渡すと判断しやすくなります。

また、料金ページは、Microsoftが行動に関するデータを製品・サービスの改善に活用することを、無料提供の背景として説明しています。[7]

費用がかからないことと、外部サービスへデータを送る条件への確認は、分けて考えます。

導入時には、Clarityの利用規約も確認してください。

保存期間と取得範囲を確認する

通常の録画の再生データは30日、ラベル付きまたはお気に入りのセッションは9か月保存されます。

ヒートマップのデータも保存期間は9か月です。[9]

データ 公式資料にある保存期間
通常の再生データ 30日
ラベル付き・お気に入りのセッション 9か月
ヒートマップのデータ 9か月

Microsoftは、保存期間が過ぎたデータは削除され、復元できないと説明しています。[9]

月末に前月分を初めて見る運用では、調べたい録画がすでに見られなくなっている可能性があります。

保存期間に合わせて、確認する日と、残しておく記録を決めておきましょう。

また、見えていない操作は「起きなかった」とは扱えません。

マスキングされた情報や、タグのないページ、同意の条件によって確認できない部分を、調査メモに残します。

Microsoft Clarityの導入前に準備するもの

Clarityの設置前に担当者・対象ページ・隠す情報を決める

Clarityの導入前には、設置できる人、設置する範囲、記録しない情報の三つを決めます。

アカウントを作る担当者と、サイトを変更できる担当者が別の場合は、最初に役割を分けると作業が止まりにくくなります。

サイトの編集権限を確認する

手動設置では、サイトのhead部分にトラッキングコードを追加できる権限が必要です。

公式の手順は、対象プロジェクトの「Settings → Setup」で設置方法を選び、手動なら「Get tracking code」から取得したコードをheadへ配置する流れです。[10]

アカウント作成から始める場合は、公式サイトでサインインし、「New project」でサイト名とURLを登録します。[8]

ただし、既存のプロジェクトがあるなら、新しく作る前に管理者へ確認してください。

同じサイトのデータを別々の担当者が持つと、どちらが正式な確認先か分からなくなります。

以下は、制作会社や社内の開発担当者へ渡す依頼内容の例です。

依頼項目 記入する内容の例
対象サイト 自社の公開サイトのURL
調査するページ 料金ページと問い合わせへの導線
設置方法 現在のタグ管理方法を確認して決定
既存の設置 同じClarityプロジェクトのタグがないか確認
完了条件 テスト訪問を探し、表示とマスキングを確認
戻す方法 問題が出たときのタグ停止担当と連絡先

手動設置とCMSの連携などを重ねる前に、現在の設置場所を確認することも必要です。

個人情報を隠す方針を決める

Clarityには、取得する内容を隠すマスキング設定があります。

公式資料では、入力欄とドロップダウンは、どのマスキングモードでも隠されると説明されています。[11]

ただし、入力した内容が確認ページの普通の文章として表示される場合もあります。

入力欄だけを見て、確認が終わったとは判断しないでください。

プロジェクトの「Settings → Masking」でモードと対象要素を確認し、必要な箇所は個別に指定します。[11]

氏名、メールアドレス、会員情報などが、ページのどこに現れるかを先に調べると、確認漏れを減らせます。

設定変更は新しい録画に適用され、過去の録画を後から隠す変更にはなりません。[11]

同意管理を使うサイトでは、同意前・同意後・撤回後の状態も確認します。

ClarityのConsent Modeは、同意状態に応じたCookie利用を扱う仕組みであり、Cookieがないことだけを「通信も記録もない」証拠にはできません。[12]

Microsoft Clarityを試した後に見る場所

テストの時刻とURLを控え、条件から録画を探して表示を確認する

導入後は、自分で行ったテスト操作を見つけ、ページの再現と隠すべき情報を確認します。

最初から大量の録画を見続けるより、知っている操作を基準にすると、確認しやすくなります。

ここで示す手順は、公式の画面名に沿って組み立てた確認方法です。

テスト訪問の録画を探す

テスト前に、対象URL、操作する時刻、端末、ブラウザを控えておきます。

普段の訪問と見分けられるよう、リンクをたどる順番も簡単に決めておきましょう。

例えば、料金ページを開き、下までスクロールして、問い合わせページへ移動する流れです。

本物の個人情報や、不要な問い合わせ送信を使う必要はありません。

  1. 記録の対象になる環境で、決めた操作を行う
  2. Clarityの対象プロジェクトで「Recordings」を開く
  3. 「Filters」で日付、端末、訪問したURLなどを絞る
  4. 控えた時刻と操作に合うセッションを開く
  5. ページ遷移、クリック、隠した情報の見え方を確認する

録画の一覧とFiltersの場所は、Microsoftの公式資料で案内されています。[2][4]

見つからない場合は、まずプロジェクトと日付、絞り込み条件を確認します。

続いて、対象ページのタグ、同意の状態、社内アクセスの除外条件を設置担当者と確認します。

録画が見つかっても表示が崩れる場合は、取得漏れとは別の問題かもしれません。

公式のトラブル対応資料は、CSSやフォントへClarityがアクセスできないと、再生表示に欠落が生じると説明しています。[13]

最初の調査ページを一つ選ぶ

最初は、改善したい成果に近いページを一つ選びます。

例えば、問い合わせを増やしたいなら、料金ページからフォームへの導線が候補になります。

商品を売りたい場合は、商品ページからカートへ進む操作が候補です。

トップページを選ぶこと自体が悪いわけではありません。

ただ、何を判断したいかが広すぎると、録画を見ても感想だけが残ります。

「スマートフォンで料金を確認した人は、問い合わせへの入口を見つけられるか」のように、対象と質問を絞りましょう。

決めるもの 架空の記入例
対象 料金ページ
端末 スマートフォン
調べる質問 問い合わせへの入口まで到達しているか
見る記録 スクロールの集計と、その付近の操作
次の確認 ボタンの行き先と、フォームへ進む流れ

この表は、成果が出た事例ではなく、調査対象を決めるための記入例です。

少ない記録から結論を急がず、確認できた範囲を書き残します。

Microsoft Clarityを続けて使える体制にする

観察・仮説・修正・確認を担当者同士でつなぐ

Clarityを継続して使うには、見る担当者と、見つけた問題を直す担当者を結び付けます。

録画を共有するだけで終わらせず、次の作業と確認日まで決めることが大切です。

毎週見る問いを決める

毎週の確認では、前回と同じ質問を使うと変化を追いやすくなります。

例えば「料金ページからフォームへ進む手前で、操作が止まっていないか」という質問です。

見る条件を毎回変えると、利用者の違いなのか、ページを直した影響なのかが分かりにくくなります。

Clarityでは、よく使うフィルターの組み合わせをセグメントとして保存できます。[4]

保存した条件と一緒に、対象ページを変更した日もメモしておきましょう。

以下は、一回の確認で残すメモの例です。

欄 書くことの例
観察 料金下の画像を押した後、前のページへ戻る操作があった
仮説 画像を次の案内へのリンクだと思った可能性がある
追加確認 同じ条件の別の録画と、画像周辺の説明を確認
修正案 リンクの有無が分かる見せ方にする
担当・確認日 サイト担当者と次回確認日を記入

原因が分からない場合は、分からないまま残して構いません。

観察と推測が区別されていれば、次の担当者が調査を続けられます。

採用・保留の理由を残す

最後に、無料かどうかだけでなく、自社の問題を調べられるかで採用を判断します。

次のシートをコピーし、試した結果を埋めてください。

確認項目 自社の記入欄
Clarityで答えたい質問 対象ページと、調べたい操作
導入対象の条件 対象者、扱う情報、規約の確認担当
設置と停止の担当 担当者、設置場所、連絡先
取得範囲の確認 テストしたURL、端末、同意状態
マスキングの確認 隠す箇所、確認日、新しい録画での結果
記録を確認する頻度 担当者と確認する日
成果と照合する方法 GA4のイベントや業務側の記録
最終判断 採用・一部で試用・保留と、その理由

必要なページの操作を見られ、隠すべき情報と運用の担当を確認できれば、試用を続ける判断がしやすくなります。

反対に、重要な操作が見えない、利用条件の確認が終わっていない、確認する担当がいない場合は、解決する項目を残して保留にします。

無料で使えることよりも、調べた結果を次の改善につなげられることが、導入する意味になります。

AgentSignalでの行動確認も比較したい場合は、録画とヒートマップの使い方で、実際に確認する流れを説明しています。

よくある質問

Q. Microsoft Clarityは無料で使えますか?
Microsoftは無料で提供し、トラフィック上限や有料版への強制移行がないと案内しています。[7]
Q. Clarityの録画はいつまで残りますか?
通常の再生データは30日、ラベル付き・お気に入りのセッションは9か月です。[9]
Q. ClarityがあればGA4は不要ですか?
目的によりますが、流入や成果の集計と、ページ上の操作の確認を分担させると調査を進めやすくなります。
Q. Clarityはすべてのサイトで使えますか?
Microsoftは18歳未満を対象としたサイトやアプリでは使わないよう案内しているため、対象者と利用条件を確認してください。[8]
Q. Clarityで問い合わせが増えた理由まで分かりますか?
録画は操作を確認する材料なので、改善の効果は流入条件や成果の定義をそろえて別に確かめます。

出典・参考データ

  1. [1] Clarity Overview (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  2. [2] Recordings overview (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  3. [3] Heatmaps overview (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  4. [4] Filters overview (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  5. [5] GA4 eコマース購入レポート (Google) — 取得 2026-10-04
  6. [6] GA4 Integration (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  7. [7] Clarity Pricing (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  8. [8] Getting Started (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  9. [9] Data Retention (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  10. [10] Setup Clarity (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  11. [11] Masking Content (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  12. [12] Consent Mode (Microsoft) — 取得 2026-10-04
  13. [13] Troubleshooting Recordings (Microsoft) — 取得 2026-10-04

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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