ECサイトのLLMO対策:商品をAIに紹介してもらう

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ECサイトのLLMO対策:商品をAIに紹介してもらう

ECサイトのLLMO対策は、AIが商品を探し、比べ、購入へ進める各段階で商品情報を正しく伝える取り組みです。商品ページ、商品データ、AIとの購入連携という3つの経路を分けて、何から整えるかを紹介します。

ECサイトのLLMO対策とは、AIが商品を探し、比べ、購入へ進めるときに、自社の商品情報を正しく読んで紹介してもらうための取り組みです。 まず、AIが商品情報を得る経路を3つに分け、全員に関係する部分から整えます。

例えば、ChatGPTに「通勤用の軽い水筒は?」と聞いたら、自社の商品が一つも出なかったとします。商品ページを書き直すべきか、新しい連携が必要なのか。この記事では、自社ECを運営する非エンジニアの担当者向けに、全体像と最初の一歩を紹介します。情報は2026年9月23日時点です。

ECサイトのLLMO対策とは

ECサイトのLLMO対策は、商品の説明・価格・在庫などがAIに正しく伝わる状態を作ることです。 LLMOは、ChatGPTなどのAIの回答で自社を正しく紹介してもらう取り組みの呼び名です。

AIが関わる買い物には、商品を探す、比べる、購入する、の段階があります。どの段階でも、使われる情報が古かったり欠けていたりすると、正しく紹介されません。

AIを使った買い物の3段階「探す」「比べる」「購入する」を左から右へ進む道で示した図。すべての段階の下に、共通の土台として「正確な商品情報」がある

Googleは、AIによる概要やAIモードに出るための追加の技術要件はなく、通常の検索対策の基本が当てはまると説明しています [1]。特別な仕掛けより、正確な商品情報が土台になります。

AIが商品を紹介するまでの3つの経路

AIが商品情報を得る主な経路は、商品ページの本文、Merchant Centerなどの商品データ、AIサービスへの商品連携の3つです。

店の商品情報がAIへ届く3つの経路を示した図。「商品ページの本文(すべての店)」が太い道で強調され、「商品データ(Googleに載せる店)」と「AIサービスへの商品連携(国・条件を満たす店)」が細い道で並ぶ

経路 例 関係する店 詳しい記事
商品ページの本文 自社サイトの商品説明、価格、在庫 すべての店 この記事
商品データ Google Merchant Centerに登録する商品情報 Googleに商品を載せる店 価格の不一致の直し方
AIサービスへの商品連携 ChatGPTへの商品フィード、Googleの購入連携 対象の国・条件を満たす店 ChatGPTの商品連携

Googleは、Merchant Centerで商品の仕様を「product_detail」という項目で渡すと、AIモードなどAIを使った画面で商品情報を見つけてもらう助けになると説明しています [3]。

ChatGPTでは、2026年3月24日に、ACPという共通ルールを商品探しに広げたと発表されました。販売者は商品フィード(商品一覧のデータ)を共有します。Shopifyの販売者は、Shopify Catalog経由で商品データがすでに連携されており、個別の追加作業は不要と説明されています [5]。

ただし、ChatGPTへの商品フィードの登録は、現在は承認されたパートナー向けです(OpenAIの案内)。標準の登録は米国向けです [6]。日本の店がすぐ使えるかは、公式資料では確認できません。まずは表の一段目、商品ページの本文から整えます。

商品ページで整える情報

価格・在庫・送料・返品条件・仕様を、商品ページの本文で読める形にします。 画像の中だけにある情報は、読み取られにくくなります。

説明用の架空の水筒で、書く内容の例を示します。

項目 本文に書く例(架空) 見落としやすい点
価格 3,300円(税込) 色によって価格が違う場合の書き分け
在庫 白:在庫あり/青:入荷待ち 色・サイズごとの違い
送料 5,000円以上で無料。離島は別料金 条件の書き忘れ
返品 未使用のみ到着後8日以内 対象外の商品
仕様 容量350ml、重さ180g、食洗機不可 使えない場面の説明

「軽い」「たっぷり入る」だけでなく、数字で書きます。AIが比べるときに使いやすく、客も自分に合うか判断できます。

商品データと本文の不一致を防ぐ

価格が違って表示される多くの原因は、同じ商品の情報が複数の場所にあり、一部だけ更新されていることです。本文、構造化データ、商品フィードの三つを同時に直す運用にします。

構造化データは、ページの内容を検索サービスが読み取りやすい形で添えるものです。Googleは、ページに見えていない情報を書かないよう求めています [2]。AIの機能でも、構造化データが本文と一致していることが基本とされています [1]。

Merchant Centerのproduct_detailには、価格・送料・社名を入れず、他の項目で渡すよう案内されています。検索語を並べることも避けます [3]。

値下げや売り切れのたびに、「本文→構造化データ→商品フィード」の順に同じ日に確認します。確認する人と場所を決めておくと、更新漏れを防げます。

説明用の架空の水筒で、値下げの日に「本文」「構造化データ」「商品フィード」の3か所を順にチェックする流れを示した図。1か所だけ古い価格が残ると不一致になる様子を並べて比較している

AIのクローラーと購入機能の設定

検索用クローラーの許可と、AIによる購入の連携は別の設定です。購入の連携には、対象国や申請の条件があります。

クローラーは、ページを自動で読みに来るプログラムです。ChatGPTの検索に使われるOAI-SearchBotを拒否すると、ChatGPTの検索回答に表示されません(移動用のリンクとしては出る場合があります)。学習用のGPTBotとは独立した設定です [4]。まずrobots.txtでOAI-SearchBotを止めていないかを制作担当に確認します。

2つの独立した設定を示した図。左は robots.txt の門で、検索用の OAI-SearchBot と学習用の GPTBot が別々のスイッチになっている。右は購入の連携で、国と申請の条件がある。左には「今すぐ確認」と添えている

購入の連携は、次の点に注意します。

  • ChatGPT:初期の購入機能(Instant Checkout)は柔軟性が足りなかったとして、販売者が自社の購入手続きを使える形に変わりました [5]。
  • Google:UCPという共通ルールによるGoogle上の購入ボタンは、米国・カナダ・オーストラリアの対象商品と、選ばれた販売者向けです [7]。

どちらも、日本の店がすぐ申し込める案内は確認できません。申請の流れはGoogleのAIで商品を売るための準備で紹介しています。今できるのは、商品情報とクローラーの設定を整えておくことです。

AI経由の紹介と売上を分けて測る

AIの回答での商品紹介、AI経由の訪問、注文は、別々に記録します。

AIの回答での紹介、AI経由の訪問、注文の3つを、それぞれ別の記録帳に分けて残す様子を示した図。3つは破線でゆるくつながっているが、1つにまとめられてはいない

Googleでは、Search Consoleの生成AIレポートで、AIによる概要とAIモードでの表示回数をページごとに確認できます [8]。商品ページが表示されているかを知る手がかりになります。

Merchant CenterにもAI performance insightsというレポートがありますが、現在は英語の質問、オーストラリア・カナダ・インド・ニュージーランド・米国のアカウントが対象です [9]。

記録は次のように分けます。

測るもの 確認する場所 分からないこと
回答での紹介 自分でAIに質問した記録、表示回数のレポート 何人が見たか
AI経由の訪問 アクセス解析、計測タグ 何を質問したか
注文 自社の注文記録 AIが理由かどうか

最初は、売れ筋の商品を一つ選び、3つの経路で情報が一致しているかを点検します。AIでの商品の見つかり方は、Azomaが示した確認点でも詳しく紹介しています。

よくある質問

Q. Shopifyでも同じ対策が必要ですか?
ChatGPTについては、Shopifyの販売者の商品データはShopify Catalog経由で連携済みで、個別の追加作業は不要とOpenAIが説明しています。ただし、商品ページの本文や価格・在庫の正確さは、どの仕組みでも店が整える必要があります。
Q. 商品の構造化データを入れればAIに紹介されますか?
保証はありません。GoogleはAI機能に出るための特別な構造化データは不要と説明しています。使う場合は、ページに見えている価格や在庫と一致させることが大切です。
Q. 日本の店はChatGPTやGoogleでAI購入を受け付けられますか?
2026年9月23日時点の公式資料では、ChatGPTの標準の商品フィードは米国向け、GoogleのUCP購入は米国・カナダ・オーストラリア向けです。日本での提供は確認できませんでした。商品情報とクローラー設定を先に整えておきます。

出典・参考データ

  1. [1] AI features and your website (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  2. [2] Introduction to structured data markup in Google Search (Google Search Central) — 取得 2026-09-23
  3. [3] Product detail [product_detail] (Google Merchant Center Help) — 取得 2026-09-23
  4. [4] Overview of OpenAI crawlers (OpenAI) — 取得 2026-09-23
  5. [5] Powering Product Discovery in ChatGPT (OpenAI) — 取得 2026-09-23
  6. [6] Products file upload reference (OpenAI) — 取得 2026-09-23
  7. [7] About the Universal Commerce Protocol (UCP) and UCP-powered checkout feature on Google (Google Merchant Center Help) — 取得 2026-09-23
  8. [8] Generative AI performance report (Search) (Google Search Console Help) — 取得 2026-09-23
  9. [9] About AI performance insights (Google Merchant Center Help) — 取得 2026-09-23

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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