AI計測の質問はどう選ぶ?顧客の言葉と条件から作る質問リスト

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AI計測の質問はどう選ぶ?顧客の言葉と条件から作る質問リスト

AIの回答で自社が紹介されるかを調べる質問の選び方を説明します。顧客の言葉から候補を作り、購入段階で配分し、地域・規模・予算などの条件を質問文に入れて比べ、数を決めて変更履歴を残す方法です。

AIの回答で自社が紹介されるかを調べる質問は、顧客が購入前に実際に聞く言葉から選びます。 そのうえで購入段階ごとに配分し、地域や規模などの条件を質問文に入れ、変更の履歴を残します。

ここでは説明用に、中小企業向けの勤怠管理ツールを販売する架空の会社を例にします。担当者は計測ツールに質問を登録しようとして、「何を、何問入れればいいのか」で手が止まりました。この場面から、質問リストを作る手順を順に説明します。

AI計測の質問は、顧客が購入前に実際に聞く言葉から選ぶ

質問の候補は、社内の呼び方ではなく、問い合わせや商談で顧客が口にした疑問から作ります。 そのうえで、答えが自社ページにあるかを見て候補を絞ります。

社内では「クラウド勤怠システム」と呼んでいても、顧客は「パートのシフトと出勤をまとめて管理できるアプリは?」と聞くかもしれません。AIに届くのは顧客の言葉です。社内用語だけで質問を作ると、実際には誰も聞かない質問を測ることになります。

説明用の例。社内の呼び方「クラウド勤怠システム」はAIに届かず、顧客の言葉「パートのシフトと出勤をまとめて管理できるアプリは?」がAIに届く様子を比べた図

候補の集め先は、問い合わせメール、商談のメモ、サポートへの相談などです。顧客名や連絡先を除き、疑問の部分だけを書き出します。問い合わせ記録を扱う手順は問い合わせ記録を企画に変える方法で説明しています。

候補ごとに、自社ページに答えがあるかも確認します。答えがない質問は、測っても紹介されない結果になりやすいので、「ページを作る候補」として別に記録しておきます。

購入段階別に質問を配分する

質問は、探している段階・比べている段階・申し込む前の段階に分けて置きます。 何を知りたいかによって、段階ごとの数を変えます。

段階 質問例(説明用) この質問で見たいこと
探している 従業員30人の店舗で使える勤怠管理の方法は? 自社をまだ知らない人に紹介されるか
比べている 勤怠管理アプリを選ぶときの比較ポイントは? 比較の候補に入るか、どの条件で選ばれるか
申し込む前 勤怠管理アプリの無料期間と解約の条件は? 条件の説明が正しく伝わっているか

新しい顧客に知ってもらうことが目的なら、「探している」と「比べている」を多めにします。例えば10問なら、4問・4問・2問のように分けます。この配分は編集上の目安で、効果が確かめられた比率ではありません。

説明用の例。購入までの道のりを「探している」「比べている」「申し込む前」の3段階に分け、10問を4問・4問・2問に配分した図。配分は編集上の目安

社名を含む質問と含まない質問の役割

社名を含まない質問は「知らない人への紹介」、社名を含む質問は「説明の正しさ」を見るために使い、記録を分けます。

「おすすめの勤怠管理アプリは?」で自社が出れば、自社を知らない人にも紹介されたと言えます。一方、「○○勤怠の料金は?」は、すでに社名を知っている人の質問です。見るべきは、料金や条件が正しく説明されているかです。

2種類を同じ引用率にまとめると、社名入りの質問が数字を押し上げ、新しい紹介が増えたように見えてしまいます。

地域・規模・予算などの条件を質問文に入れる

想定する顧客の違いは、質問文に書く条件に置き換えて測ります。 条件が変われば、AIの回答も変わることがあります。

「飲食店の店長向け」「事務所の総務向け」といった想定顧客は、そのままではAIに伝わりません。質問の中に、地域・人数・予算などの言葉として書きます。

想定顧客(架空) 質問に入れる条件 質問文の例
地方の飲食店の店長 地域、店舗数、シフト制 福岡で3店舗の飲食店。シフト制の勤怠管理アプリは?
都内の事務所の総務 人数、予算 社員50人、月1万円以内で使える勤怠管理は?

回答が変わる理由は、質問文だけではありません。ChatGPTは、IPアドレスから推定したおおまかな地域や、有効にしたメモリーを検索の言い換えに使う場合があるとヘルプで説明しています。都市名などを質問に書くと、地域の結果が具体的になるとも案内しています [1]。GoogleのAIモードも、履歴とパーソナライズを有効にした18歳以上の利用者には、過去の検索や活動を参考に回答を調整する場合があります [2]。

つまり、自分のアカウントで手作業で確かめた結果は、別の人の画面と同じとは限りません。手作業で確認するときは、ログイン状態やメモリーの設定も記録します。AgentSignalのAI引用率では「分析する言語・地域」を選ぶと、回答言語の指示と検索地域に反映されます。

説明用の例。想定顧客「地方の飲食店の店長」を、質問文の条件「福岡」「3店舗」「シフト制」に置き換えてAIへ送る図。回答には、おおまかな地域やログイン状態・メモリーの設定も影響し得ることを横に示している

条件を変えるときは一度に一つだけ

地域だけ、人数だけ、というように一つの条件を変えた質問の組を作ります。 同じAI・同じ回数で記録して比べます。

例えば「福岡で3店舗」と「大阪で3店舗」は、地域だけが違う組です。「福岡で3店舗」と「大阪で10店舗」を比べると、差が地域のせいか規模のせいか分かりません。

数回の試行で出た差を「地域が原因」と断定しないでください。AIの回答は同じ質問でも毎回少し変わります。差が続くかを、回数を重ねて確かめます。

質問の数は、確認できる頻度とクレジットから決める

確認の負担は「質問数×条件数×AI数×試行回数」で増えます。 重要な少数の質問から始め、手作業で続けるか、計測ツールを使うかを決めます。

例えば10問を3つのAIで1回ずつ調べると、30回の質問になります。条件違いを2通り足せば60回です。手作業なら、毎回これだけ入力して記録します。

AgentSignalでは、AIへの質問1回で2クレジットを使います。10問×3つのAI×1回なら60クレジットです。試行回数は最大5回まで設定でき、回数に比例して消費も増えます。画面では、回答のぶれを均すために想定質問を5個以上選ぶことを勧めています。

10問×3つのAI×1回で30回の質問になり、AgentSignalでは1回2クレジットのため合計60クレジットになる計算の流れ。条件数や試行回数を増やすと負担も増えることを示している

最初は5〜10問で1回確かめ、結果を読んでから、続ける質問を決めるとよいでしょう。

質問リストを固定し、変更履歴を残す

前回と比べるために、続けて測る質問と試しに測る質問を分けます。 文言や条件を変えたら日付付きで記録し、別の質問として扱います。

質問を少し言い換えただけでも、回答は変わることがあります。途中で言い換えた質問の結果を前月と比べると、ページ改善の効果なのか、質問の変化なのか分かりません。

説明用の例。9月1日に始めた質問Q02の条件を10月1日に「3店舗」から「5店舗」へ変えたため、新しいQ02-bとして別の線で記録し、前の記録と比べない様子を示した時間軸の図

質問ID 質問文 条件 種類 開始日 変更日 理由
Q01 勤怠管理アプリを選ぶときの比較ポイントは? なし 継続 9月1日 ― ―
Q02 福岡で3店舗の飲食店。シフト制の勤怠管理アプリは? 地域・店舗数 試験 9月1日 10月1日 「3店舗」を「5店舗」へ変更。Q02-bとして新しく扱う

表の日付と内容は説明用です。変更した質問には新しいIDを付け、古い記録と混ぜないようにします。

Search Consoleに計測質問が混ざる可能性への注意

計測に使う質問が、Search Consoleの検索語に表示される可能性を報告した例があります。ただし一件の報告で、一般的な現象とは確認されていません。

あるサイト運営者は、Search Consoleの検索語一覧に長い文章の検索語が表示され、自社のAI計測ツールに登録した質問と一語一句同じだったと報告しています。そのツールはGoogleのAIによる概要を確かめるため、Google検索を実行していました。運営者は、Search Console上で人の検索と区別する方法はないと述べています [3]。

この報告から自社でできるのは、照合です。自社の質問リストとSearch Consoleの検索語を見比べ、一致する長い検索語には「計測の可能性あり」と印を付けます。その検索語だけを理由に新しい記事を作る判断は避けます。使っている計測ツールがGoogle検索を実行するかは、提供元に確認してください。

よくある質問

Q. AIが提案した質問をそのまま使ってよいですか?
そのまま使う前に、実際の問い合わせや商談で聞かれる言葉か、答えが自社ページにあるかを確かめます。合わない候補は編集または削除します。
Q. 質問文を少し変えたら以前と比較できますか?
比較しないほうが安全です。言い換えでも回答は変わることがあるため、新しいIDを付けて別の質問として記録します。
Q. ログイン状態や履歴で回答は変わりますか?
変わる場合があります。ChatGPTはおおまかな地域やメモリーを、GoogleのAIモードは有効にした履歴を回答に使う場合があると説明しています。手作業ではログイン状態も記録します。

出典・参考データ

  1. [1] Searching the web with ChatGPT (OpenAI) — 取得 2026-09-23
  2. [2] Get AI-powered responses with AI Mode in Google Search (Google Search Help) — 取得 2026-09-23
  3. [3] Google Search Console Impressions Can Be Fake: AI Trackers Are Inflating Your Data (OptimizeCamp) — 取得 2026-09-23

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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