AI検索の広告とは?自然な引用との違いと企業の選択肢

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AI検索の広告とは?自然な引用との違いと企業の選択肢

AI検索の広告とは、AIの回答画面に表示される有料の掲載枠です。回答の中で紹介される自然な引用との違い、GoogleとChatGPTの出稿条件、どちらに取り組むかの判断材料を、2026年9月23日時点の公式情報に基づいて整理します。

「ChatGPTに広告を出せるらしい。お金を払えば、AIがうちの商品を紹介してくれるの?」

上司からこう聞かれたら、まず二つの仕組みを分けて説明する必要があります。AIの画面に出る広告と、AIが回答の中で自社ページを紹介することは、別の仕組みです。

この記事では、2026年9月23日時点の公式情報をもとに、AI検索の広告の意味、自然な引用との違い、日本の企業が使える出稿先、どちらに取り組むかの考え方を説明します。

AI検索の広告とは

AI検索の広告とは、AIが答えを表示する画面やその周辺に、広告であると表示して出す有料の掲載枠です。 回答の中で根拠として示されるページ(自然な引用)とは別の仕組みです。

ここでいう「AI検索」は、質問するとAIが文章で答えをまとめてくれるサービスを指します。代表的なものが、Google検索の「AIによる概要」と、ChatGPTです。

Googleでは、広告がAIによる概要の上・下、または概要の中に表示される場合があります [1]。ChatGPTでは、広告は「スポンサー」と明示され、回答とは見た目でも分けて表示されます [2]。

左はGoogle検索のAIによる概要を模した画面で、概要の上・中・下の三か所に広告の位置を示すラベル。右はChatGPTを模した画面で、回答と分けて「スポンサー」と表示された枠。説明用の模式図

つまり、読む人から見ると「AIの答え」と「広告」は並んで見えます。しかし、出てくる理由は違います。広告は広告主がお金を払って出す枠です。自然な引用は、AIが質問に答えるために選んだページです。

広告と自然な引用の違い

広告はお金を払って表示される枠で、自然な引用はAIが回答の根拠として選ぶページです。 広告を出しても、自社ページが引用されるようになるとは公式資料に書かれていません。

OpenAIは、広告はChatGPTの回答に影響しないと説明しています [2]。回答は利用者にとって役立つかどうかで作られ、広告とは分けて表示されるという立場です。

Googleのヘルプでは、AIによる概要の広告は、既存の広告オークションの仕組みで表示が決まると説明されています [1]。一方で、広告を出すと概要の引用元に選ばれやすくなる、という説明はありません。確認できない関係を前提に予算を組まないことが大切です。

上の流れは「広告費を払う」から「広告オークション・関連性」を経て「広告・スポンサー枠」へ。下の流れは「自社ページ」から「AIが質問に合うか判断」を経て「回答の中の引用」へ。二つの流れの間に「つながりは公式資料で説明なし」と書かれた区切り線がある図

違いを同じ項目で並べると、次のようになります。

項目 広告 自然な引用
表示のされ方 広告・スポンサーと明示された枠 [1][2] 回答の文章やリンクの中
表示が決まる仕組み Googleは広告オークション [1]、ChatGPTは会話の話題などとの関連性 [2] AIが質問に合うと判断したページ
費用 広告費がかかる 掲載枠への支払いはない(ページ改善の手間や制作費は別)
止めるとどうなるか 出稿を止めれば表示されない ページの内容や公開状態によって変わる
結果の確認 広告の管理画面の数字 実際の質問と回答を記録して確認

表を見るときは、「結果の確認」の行に注目してください。広告は管理画面で数字を見られますが、自然な引用はAIに質問して回答を記録しないと分かりません。

計測にも注意点があります。Googleは、AIによる概要の中に出た広告を、検索結果上部の広告と同じ扱いで報告します。概要の中に出た分だけを区別したレポートは、現時点ではありません [1]。ChatGPTの広告主が受け取るのは、表示回数やクリック数などの集計情報で、利用者のチャット内容は見られません [2]。

ChatGPTに広告を出すと、OAI-AdsBot という名前のプログラムが、広告のリンク先ページを確認しに来ます。広告として提出されたページだけを訪れ、取得した内容はAIの学習には使われません [5]。AIのプログラムの種類はAIクローラーの違いを説明した記事で紹介しています。

サービス別の出稿方法と利用条件

2026年9月23日時点で、日本の企業はChatGPTの広告に、OpenAIの広告管理画面「Ads Manager」から申し込めます。GoogleのAIによる概要の中に出る広告は、日本はまだ対象国に入っていません。

二つのサービスの条件を、同じ項目で比べます。

項目 GoogleのAIによる概要 ChatGPT
日本での状況 概要の上・下の広告は、AIによる概要がある市場で対象 [1] 2026年8月11日に日本で開始 [2]
概要・回答の近くに出る広告 概要の中の広告は英語で、米国・カナダ・インドなど12か国のみ。日本は対象外 [1] 回答と分けて表示 [2]
申込の方法 既存の検索・ショッピング・P-MAX(配信先をGoogleが自動で広げる広告の種類)のキャンペーンが自動で対象 [1] Ads Managerでアカウントを作成 [4]
表示場所の指定 概要の中だけを狙う指定も、除外もできない [1] 公式資料に記載なし
出ない分野 概要の中の広告は、成人向け・酒類・ギャンブル・金融・医療・政治などの分野では出ない [1] 健康・メンタルヘルス・政治など、配慮が必要な話題の近く [2]

この表で確認したいのは、日本の自社が今すぐ使えるかどうかです。Googleは新しい申込が不要な代わりに、概要の中に出すかを選べません。ChatGPTは申込と審査が必要です。

2026年9月23日時点の日本の企業向け比較図。左のGoogle欄は「概要の上・下:対象」「概要の中:日本は対象外」「新しい申込は不要」「表示場所は選べない」。右のChatGPT欄は「日本で利用可(2026年8月11日開始)」「Ads Managerで申込」「審査あり」

GoogleのAIモードでの広告は、この記事で確認した公式資料には記載がないため、扱っていません。

ChatGPT広告の申込は、次の順で進みます [4]。

  1. ads.openai.com を開き、OpenAIのアカウントでAds Managerに登録します。
  2. 会社名、ウェブサイト、ロゴ、業種、国、通貨、タイムゾーンを入力します。
  3. 確認の質問に答えると、審査に入ります。審査が終わるとメールが届きます。
  4. 設定画面で、広告に表示するアカウント名とロゴを確認します。
  5. 請求先の情報とクレジットカードを登録します。
  6. 必要なら、社内のメンバーを招待します。

申込の前に、次の項目を社内で決めておくと迷いません。

準備すること 理由
広告を出して請求を受ける法人 その法人が利用可能な国に拠点を持つ必要がある [3]
国・通貨・タイムゾーン 作成後に変更できない [4]
広告に表示する会社名とロゴ 設定しないと広告が配信されない [4]
審査を待つ期間 申込が多く、確認に時間がかかる場合がある [4]

国と通貨を間違えると、アカウントを作り直すことになります。経理担当者にも、請求を受ける法人を先に確認しておきましょう。

広告と自然な掲載のどちらに取り組むか

すぐに露出を得たいなら広告、質問への答えとして継続的に紹介されたいなら自然な掲載への取り組みが向いています。 どちらか一方に決める必要はなく、目的ごとに分けて考えます。

目的と選び方を、判断表にまとめました。

自社の目的 向いている取り組み 最初にすること
新商品を来月から知ってもらいたい 広告 審査期間を見込んだChatGPT広告の申込と、リンク先ページの準備
比較の質問で候補に入りたい 自然な掲載 顧客が聞く質問を決め、回答に自社が出るか確かめる
数字で上司に報告したい 広告から始め、自然な掲載も記録 広告の表示・クリックと、回答の記録を分けて残す
予算が少ない 自然な掲載 自社ページで顧客の質問に答えているか見直す

説明用の例で考えます。架空の業務用清掃用品の会社が、新しい床洗浄機を発売したとします。

発売直後は、AIがまだ新商品のページを紹介しないかもしれません。この期間は、広告で知ってもらう方法が考えられます。

同時に、商品ページに「対応できる床の種類」「価格」「導入までの期間」を書いておきます。顧客がAIに比較の質問をしたとき、答えになる情報がページにあるかどうかが、自然な掲載の出発点になります。

説明用の例。新しい床洗浄機の発売からの時間軸に二本の帯。上の帯は「広告:発売直後に知ってもらう」。下の帯は「商品ページ:床の種類・価格・導入までの期間を書く」で、「比較の質問への答えを用意」につながる。広告と自然な掲載の結果は別々に記録するメモが添えられている

広告を止めても紹介され続ける状態は、広告費だけでは作れません。自然な掲載の考え方はLLMOとは何かを説明した記事、全体の進め方はAIOの意味と最初の作業をまとめた記事で紹介しています。

どちらを選んでも、結果は分けて記録します。広告の数字と、AIの回答に自社が出たかどうかは、別々の指標です。一緒に集計すると、どちらが効いたのか分からなくなります。

まずは「今の目的は、すぐの露出か、継続的な紹介か」を社内で決めることから始めましょう。

よくある質問

Q. 広告を出すとAIの回答で引用されやすくなりますか?
公式資料にはそのような説明はありません。OpenAIは広告がChatGPTの回答に影響しないと説明しています。Googleのヘルプも、広告とAIによる概要の引用元の関係は説明していません。引用されるには、自社ページが顧客の質問に答えているかを見直します。
Q. 日本でChatGPT広告は利用できますか?
2026年9月23日時点で利用できます。ChatGPT広告は2026年8月11日に日本で始まり、Ads Managerのセルフサービスも日本で利用可能です。広告を出して請求を受ける法人が、利用可能な国に拠点を持つ必要があります。
Q. GoogleのAIによる概要の中だけに広告を出せますか?
できません。Googleは、AIによる概要の中だけを狙う指定も、除外もできないと説明しています。また、概要の中に出る広告は英語で、米国やカナダなど12か国のみが対象で、日本は含まれていません。

出典・参考データ

  1. [1] About ads and AI Overviews (Google Ads Help) — 取得 2026-09-23
  2. [2] Testing ads in ChatGPT (OpenAI) — 取得 2026-09-23
  3. [3] Ads Manager Availability (OpenAI Help Center) — 取得 2026-09-23
  4. [4] Ads Manager Beta Account Setup (OpenAI Help Center) — 取得 2026-09-23
  5. [5] Overview of OpenAI crawlers (OpenAI) — 取得 2026-09-23

この記事を書いた人

水島 翔吾

株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者

AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。

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