AIO対策でAI流入71%増と報告。Rough Countryが売上まで測った方法

AIO対策でAI流入71%増、年初来のAI経由売上22,700ドルと報告したRough Countryの事例を解説。GA4の設定確認、90日比較、購入収益との照合、改善するページの選び方まで紹介します。
AIからのアクセスは増えた。でも、売上につながっているのかは分からない。
AIO対策を続ける担当者にとって、次に知りたいのはこの点ではないでしょうか。記事を増やす判断にも、商品説明を直す判断にも、訪問後の動きを確かめる材料が必要です。
海外の自動車用品ブランドRough Countryについて、支援会社TinuitiはAI経由の流入が直前90日比で71%増えたと報告しています。注目したいのは増加率だけでなく、AIから来た訪問を売上と結び付けて確認した点です。[1]
この記事では公開事例の数字を整理した後、日本のEC担当者が自店のGA4で確認する手順を紹介します。後半の記入例は説明用の仮データであり、Rough Countryの内部資料ではありません。2026年9月30日時点の公式資料を参照しています。
AIO対策でAI流入71%増。Rough Countryの成果
この事例から読み取れるのは、AIで紹介される状況と、サイトへの訪問、売上をそれぞれ測ったということです。三つの数字を一つの「効果」にまとめずに読みます。
Rough Countryは何を販売する会社か
Rough Countryはオフロード向けの部品やアクセサリーを扱う会社です。Tinuitiの事例では、従来のSEOに取り組む一方、AI検索での露出や流入後の成果を把握しにくいことが課題として挙げられています。[1]
自動車用品では、商品名を知っている人だけが購入者になるわけではありません。「この車種に取り付けられるか」「街乗りでも使いやすいか」といった条件から探す場面も考えられます。
これは読者向けの想定例です。実際に同社へ寄せられた質問の引用ではありません。自店で同じ調査を始めるなら、まず商品名ではなく、購入前に確認される条件を書き出すと対象を決めやすくなります。
71%増は何と比べた数字か
71%は、AI経由の参照トラフィックをその前の90日間と比べた増加率です。出典には実際の訪問数や比較期間の開始日・終了日までは示されていません。[1]
そのため、この数字から「毎月71%増える」「サイト全体の訪問者が71%増えた」とは読めません。対象がAI経由であることと、比較期間をセットで確認します。
自店の報告では、増加率の横に前後の件数も置くと判断しやすくなります。例えば10件から20件への変化と、1,000件から2,000件への変化は、どちらも100%増ですが、対応する注文数や運用負担は同じとは限りません。
AI経由の売上22,700ドルは何を数えたか
報告された売上は、年初来のAIセッション由来の22,700ドル(日本円で約359万円)です。円換算は比較しやすくするための参考値として、1ドル158円で計算しています。現在の為替相場を示すものではありません。[1]
この金額は月商ではありません。また、対象年や集計末日、売上を流入元へ割り当てた細かな設定は公開資料から確認できません。
自店では「注文管理上の売上」「GA4で記録した購入収益」「AI経由に分類された訪問の購入収益」を分けて保管します。まず何を数えた金額なのかが分かる状態にすると、会議で数字を説明しやすくなります。
AIに紹介された割合と、売上の違い
AIの回答に自社名が出ること、そこからサイトへ来ること、商品を買うことは別の出来事です。どこまで観測できたかを区切ると、改善する場所も見えてきます。
| 確かめたいこと | 残す記録の例 | それだけでは分からないこと |
|---|---|---|
| AIに紹介されたか | 質問・日時・回答・引用先 | 実際の訪問数 |
| サイトへ来たか | AI経由に分類したセッション | 全員の購入理由 |
| 購入したか | 購入件数・購入収益 | AI施策だけによる純増 |
同じ期間の数字でも、分母は異なります。回答での紹介率を購入率として扱ったり、AI経由の売上をすべて新たに生まれた売上と呼んだりしないことが大切です。
Rough CountryがAIO対策で変えた3つのこと
公開事例の施策は、AIでの見え方を調べること、訪問後の売上を追うこと、商品を説明するページを整えることに分かれます。自店でも、この順に担当と作業を決めると進めやすくなります。
AI回答に出る状況を質問ごとに測った
TinuitiはProfoundを使い、購入意図に関係する180超の質問を7つのAIモデルで調べたと説明しています。ただし、質問全文や各モデルの実行条件は公開されていません。[1]
この本数を、そのまま導入時の必須条件にする必要はありません。まず自店の主力商品について、用途、比較、購入条件の三つに分けて質問を用意する方法があります。
例えばキャンプ用品店なら、「車に積める小型テント」「雨の日に使うテントの違い」「交換用ポールを買えるか」です。質問と答えを保存し、次回も同じ聞き方で確認します。
途中で質問の内容を変える場合は、前の質問を消さず別の行に追加します。対象を変えた結果なのか、回答が変わったのかを後から見分けるためです。
AI流入をGoogle Analyticsで売上につないだ
事例では、Google AnalyticsとLooker StudioでAI経由の訪問と収益を追っています。具体的な集計式やレポート設定は公開されていないため、以下はその画面を再現した手順ではありません。[1]
自店で最初に作る表は、複雑でなくて構いません。期間、流入元、セッション、購入に関する指標、購入収益が同じ場所で読めることを優先します。
レポートの名前にも条件を入れます。「AI成果」だけでは、次に開く担当者が集計内容を判断できません。「国内EC・AI参照流入・前期比較」のように対象を書き、集計した期間は表の上へ置くと引き継ぎやすくなります。
商品ページとFAQの説明を整えた
AIが参照しやすい商品説明や、よくある質問への回答も施策に含まれています。公開されているのは変更した領域であり、個別ページの修正前後の原稿ではありません。[1]
自店で試すなら、購入前の疑問を一つ選び、その答えが商品ページにあるかを確認します。「使いやすい」と書く代わりに、対応するサイズ、取り付け方法、必要な付属品を示せるかを見る作業です。
例えば「収納袋は付属しますか」という質問に対し、説明画像に袋が写っているだけでは、付属品かどうかは判断しにくいものです。仕様書で確かめたうえで、同梱内容の欄に文章で書きます。
写真、説明文、仕様表で答えが一致しているかまで確認すると、AI検索対策と購入前の迷いの解消を同じ作業で進められます。
llms.txtを置けば成果が出るのか
この事例だけでは、llms.txtを置いたことによる効果を切り出せません。複数の施策が同時に紹介されているため、ファイル一つと売上の増加を直接結び付けるのは避けます。
GoogleはAI検索機能への対応について、追加のAI専用ファイルや特別な構造化データを必要条件としていません。検索対象としてアクセスできることや、役に立つ内容を提供することなど、通常の検索と共通する基本を説明しています。[5]
担当者の作業時間が限られるなら、まず購入計測の欠落、読めない商品説明、更新されていない価格を確認します。ファイルの設置作業だけが終わっても、訪問と購入を測れなければ、次の改善判断に必要な材料は増えません。
AIO対策の効果測定をGA4で始める
ここからは、GA4を使って自店のAI流入を確認する手順です。画面名は公式資料に基づきますが、店舗のデータを使った実地検証ではありません。レポートの配置はプロパティの設定によって異なります。
GA4のプロパティと購入計測を確認する
最初にGoogle Analyticsへログインし、対象店舗のプロパティを選びます。複数の店舗やテスト環境がある場合は、プロパティ名だけでなく、計測対象のWebサイトも担当者と照合します。
次に、すでに注文があった期間で購入収益を確認します。注文管理では売上があるのにGA4の購入関連指標が表示されない場合、先にEC計測を確認する必要があります。
購入イベントの実装が済んでいるか、金額と通貨が送られているか、同じ注文が重複していないかを実装担当者へ確認します。閲覧だけを担当する人が、原因不明のままタグを追加する作業ではありません。
開始時の確認をメモに残しましょう。「対象プロパティ」「購入収益がある期間」「計測を確認する担当」の三つがあれば、レポート上のゼロと未計測を混同しにくくなります。
トラフィック獲得でAI流入を表示する
GA4では、まず「レポート」から「トラフィック獲得」を開きます。標準の配置では「ライフサイクル」の「集客」にありますが、ビジネス目標に応じた配置では場所が異なる場合があります。見当たらないときは、プロパティの管理者にレポートの公開状況を確認します。[2]
表の分類には、セッションを対象とする流入元の項目を使います。ユーザーを最初に獲得した流入元と、今回の訪問の流入元は集計する対象が違います。[3]
次の順番で、対象の行を確認してください。
- 表示期間を、データがある完了済みの期間に変える。
- 「セッションのデフォルト チャネル グループ」など、現在の分類名を確認する。
- AI Assistantの行があれば、そのセッションと購入収益を見る。
- 分類を「セッションの参照元 / メディア」に切り替え、サービス別の行も確認する。
操作後は、期間と分類名が見える状態で記録します。数値だけをコピーすると、どの表の数字か分からなくなるためです。
AI Assistantと参照元を使い分ける
Googleは2026年5月13日の更新で、認識できるAIアシスタントの流入をまとめるAI Assistantチャネルを案内しています。参照元を確認できた訪問が対象であり、AIが関わったすべての購入を把握する仕組みではありません。[4]
全体の傾向を見るときはチャネル、どのサービスから来たかを見るときは参照元、と使い分けます。同じセッションを違う分類で表示している場合、両方の表の件数を足してはいけません。
また、参照元が記録されない訪問を、後から推測だけでAI流入へ移さないようにします。「AI経由かもしれない」訪問まで含めると、毎月の集計条件が揺れてしまいます。
初回は標準分類の結果を保存し、独自分類を作るなら対象の参照元、変更日、理由を別に残すと比較を続けやすくなります。
セッションと購入収益を同じ表で読む
訪問が増えたかを見る列と、購入につながったかを見る列を並べます。セッションは訪問のまとまりを数える指標であり、人数と同じではありません。[2]
また、「キーイベント」があるだけで購入件数とは限りません。問い合わせや登録もキーイベントとして設定されることがあるため、購入を判断する際は、購入に対応する指標かを確認します。
表の見出しは省略しすぎないようにします。「CV」だけでは、購入、問い合わせ、資料請求のどれを数えたのか伝わりません。「購入件数」「購入収益」のように、計測対象が分かる名前で転記します。
列を追加できない場合は権限とレポートのカスタマイズ可否を管理者へ確認します。最初の成果物は、訪問と購入を同じ対象・同じ期間で読める表です。
AI流入の成果を90日単位で比べる方法
前後を比べるときは、期間の長さと流入の分類をそろえます。以下は自店で使う比較方法の提案であり、Tinuitiが公開していない集計方法を補ったものではありません。
直近90日と、その前の90日を決める
比較する期間は、終了した日を末日にして決めます。当日の途中経過と、すでに丸一日分ある過去のデータを比べると、集計の進み具合が違うためです。
例えば9月30日に集計するなら、9月29日までの90日間と、その直前の90日間を候補にします。GA4の日付設定で実際の開始日と終了日を確認し、両方とも表へ書き写してください。90日間を、暦上の3か月と同じ意味で使わないようにします。
店舗の営業時間や販売対象国が複数ある場合も、途中でプロパティのタイムゾーンを変えて比較しないことが基本です。使った設定を記録し、変更があった場合は報告書へ添えます。
最初は一つの期間を固定すると、訪問数の表と売上の表が別の日付になってしまうミスを防ぎやすくなります。集計結果の保存名にも開始日と終了日を入れましょう。
増加率と増えた件数を並べる
増加率は「今回の値から前回の値を引いた差」を「前回の値」で割って求めます。表計算なら、前回をB2、今回をC2へ入れ、=(C2-B2)/B2と入力してパーセント表示にします。
以下は計算方法を示す仮の例です。
| 指標 | 前の90日 | 直近90日 | 差 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|
| AI経由のセッション | 200 | 300 | +100 | +50% |
| 購入件数 | 4 | 5 | +1 | +25% |
| 購入収益 | 40,000円 | 60,000円 | +20,000円 | +50% |
前回がゼロの場合、この式では計算できません。「0件から3件」と件数で伝え、増加率は算出対象外とします。未計測だった期間にもゼロを入れず、「計測なし」と残してください。
数字を並べたら、最後に同じ流入分類を使ったかを確認します。片方だけ新しい参照元を追加していれば、分類変更による差が混ざります。
セール・計測変更・商品欠品を確認する
数字が変わった期間には、ページ修正以外の出来事も書き添えます。セール、広告の増減、価格改定、在庫切れ、計測の変更があれば、比較結果の読み方が変わるためです。
例えばAI経由の訪問が増えても、主力商品の欠品が続いていたなら、購入が伸びなかった理由を説明できるかもしれません。逆に大型セールと重なれば、説明文だけの効果とは判断できません。
変更記録は、日付、対象、内容の三つから始められます。
| 日付 | 対象 | 記録する内容の例 |
|---|---|---|
| 任意の日付 | 商品A | 対応サイズを説明文へ追加 |
| 任意の日付 | 店舗全体 | 週末セールを実施 |
| 任意の日付 | GA4 | 購入イベントの重複を修正 |
上の表は記入項目の例です。原因を決め付ける表ではありません。変化と同時期の出来事を残し、追加で調べる対象を選ぶために使います。
売上が少ない月をどう報告するか
購入件数が少ない間は、増加率より件数と金額を先に示します。たった1件の高額注文で、月ごとの見え方が大きく変わる場合があるためです。
例えば、前月が1件5,000円、当月が2件50,000円だったとします。売上は10倍ですが、「購入者が10倍になった」わけではありません。注文数と1件あたりの金額を分ければ、どこが変わったかを説明できます。
このとき、翌月の売上も同じ比率で増える前提で予算を組むのは早計です。まずもう少し長い期間で観察し、特定の商品や注文に偏っていないかを確認します。
報告文は「AI経由の購入は1件から2件へ増加。高額商品の注文があり、売上の伸びは件数の伸びを上回った」とすれば十分です。小さな母数を隠して、大きな割合だけを見せないようにします。
AIO対策の次の改善を、流入と売上から決める
計測の目的は、成果の説明と次の作業を決めることです。AI流入と購入の組み合わせから、先に読むページや確認する設定を選びます。
AI流入が増えて購入されない場合
まず、どのページへ来ているかと、そのページから商品へ進めるかを確認します。情報を調べるための記事に訪問が増えただけなら、購入の少なさをすぐ商品説明の問題とは判断できません。
対象ページをスマートフォンで開き、商品へのリンク、価格、在庫、送料、購入ボタンまで実際にたどります。記事内のリンク先が違う商品になっていないか、販売終了品へ案内していないかも確認してください。
商品ページに直接来ている場合は、訪問者が期待した条件を満たしているかを読みます。「軽い机」を探して来た人に重量が分からない説明を見せていないか、といった確認です。
修正は一度に広げすぎず、対象ページと変更箇所を決めます。「AI流入があった記事Aから商品Bへの案内を明確にする」のように作業へ落とすと、担当者にも依頼しやすくなります。
AI流入も購入も少ない場合
最初に計測が機能しているかを確認し、その後でページの内容を見直します。訪問が見えていない状態で、すべてをコンテンツ不足と判断しないためです。
対象期間、プロパティ、参照元の分類をもう一度確認します。購入イベントが店舗全体でも記録されていなければ、まず計測担当へ相談します。計測ができていてAI経由が少ないなら、購入前の質問に答えるページを選びます。
ページを選ぶ際には、問い合わせの多い商品、既に詳しい仕様がある商品、販売を継続できる商品が候補になります。広告で一時的に売りたい商品だけで決めると、作成した説明を長く使えない場合があります。
一つの商品について「誰の、どの質問へ、どのURLで答えるか」を決めてください。記事本数だけを増やす計画より、必要な資料と完了条件を明確にできます。
購入につながった商品ページを読む
購入のあったページでは、どの情報が揃っているかを読みます。成果のよいページを、そのまま別商品へコピーする作業ではありません。
確認する項目は、用途、寸法、素材、対応条件、同梱品、配送、返品に関する案内です。商品によって重要な条件は違います。衣類ならサイズ、部品なら適合する型番など、購入判断に直結する情報を先に見ます。
例えば部品Aでは車種別の対応表が役立つとしても、汎用の収納用品Bへ同じ表を置く必要はありません。Bで確認される容量や設置場所の寸法に置き換えます。
売れたページに共通する項目は改善の仮説として残せます。ただし、価格やブランド認知、在庫の影響もあるため、「この見出しを追加したから売れた」とは断定しません。次に試すページを選ぶ材料にします。
ページの修正日と確認日を残す
修正した日と、表示を確認した日を別々に記録します。下書きを保存しただけなのか、購入者に見えるページへ反映したのかを区別するためです。
最低限、対象URL、変更内容、公開日、確認者、次の集計日を一行で残します。元の文章も保管すると、期待しない変化があった場合に戻しやすくなります。
| 対象URL | 変更内容 | 公開日 | 表示確認 | 次の確認 |
|---|---|---|---|---|
| 自店の商品URL | 同梱品と対応サイズを追記 | 実際の日付 | PC・スマートフォン | 次回の集計日 |
反映確認では、管理画面の編集欄だけでなく、購入者が開く公開ページを見ます。リンク切れや表のはみ出し、選択した商品と説明の不一致があれば、その場で修正してください。
AIO対策の月次レポートに残す項目
月次レポートは、数字、実施した作業、次に確認することを一枚にまとめます。AIからの訪問が増えたかを報告するだけで終わらず、購入に進んだかまで読める形にします。
AI流入・購入・売上を分けた記入例
最初のレポートは、次の項目を表計算へコピーして作れます。自店の値が確認できない欄は、ゼロではなく「未確認」「未計測」としてください。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 対象 | 店舗名・GA4プロパティ名 |
| 期間 | 今回と比較先の開始日・終了日 |
| 分類 | セッションのチャネル名・参照元条件 |
| 訪問 | 今回のセッション・前回との差 |
| 購入 | 対象イベント・件数・前回との差 |
| 売上 | 購入収益・通貨・前回との差 |
| 実施した作業 | 対象URL・変更内容・反映日 |
| 比較に影響する出来事 | セール・欠品・計測変更など |
| 次の作業 | 確認対象・担当・期限 |
先ほどの仮データなら、「AI経由のセッションは200から300へ、購入は4件から5件へ、購入収益は4万円から6万円へ」と書けます。数字の種類を残すだけで、訪問の増加と受注の増加を混同しにくくなります。
受注管理の売上とGA4が違うとき
差があったら、まず集計対象をそろえます。注文管理は全注文、GA4の表は特定の流入経由だけ、という違いなら、金額が一致しないのは当然です。
対象が同じつもりでも、注文日と計測日、返品の反映、送料や税の扱い、通貨、計測できなかった注文などを順に確認します。差額を埋めるために、GA4の数字を注文管理の金額へ書き換えないようにします。
担当者への確認は「9月の売上が違う」だけでなく、「対象期間、対象チャネル、比較した二つの金額、含めた費目」を渡すと進めやすくなります。
会計や出荷の判断に使う金額と、流入分析に使う金額は目的が異なります。社内ではそれぞれどの管理画面を正とするかを決め、レポートの欄名にも出所を添えてください。
上司へ伝える成果と未確認の点
報告では、観測した変化、行った作業、次に確認することを三つに分けます。大きな数字の後へ曖昧な注意書きを足すより、判断に必要な条件を最初から一緒に示す方が伝わります。
説明用の例は、次のようになります。
AI経由の購入は前期4件から今期5件へ増えました。商品AとBの説明を更新しています。ただし同期間にセールも実施したため、説明変更だけの効果とは判断していません。次回は購入につながったページと欠品期間を確認します。
これは実在企業の報告の引用ではなく、社内説明用の文例です。数字だけを置き換えて使う場合も、自店で実際に行った作業と確認できた条件へ直してください。
未確認事項は、担当者と確認期限まで書くと次の仕事になります。「よく分からない」で終わらせず、何を見れば分かるかを添えます。
翌月も同じ条件で確認する
翌月は前回のレポートを複製し、期間と数値を更新します。その際、流入の分類、指標、対象ページが変わっていないかを確認してください。
分類を変える必要があれば、変更前と変更後の条件を残します。過去データを同じ条件で再集計できるなら、その旨も記録します。再集計できない場合は、連続した比較として扱わず、条件変更日を区切りにします。
レポートの提出だけでなく、前回決めたページ修正が公開されたかも確認しましょう。作業が止まっていれば、数字が変わらない理由を分析する前に、担当と必要な資料を見直す余地があります。
Rough Countryの事例を自店へ持ち帰る際、最初の一歩は報告された増加率を目標にすることではありません。AI流入、購入、売上を同じ条件で確認できる表を一つ作ることです。その表から、次に直す一ページを決められる状態を目指します。
よくある質問
- Q. AIO対策でAI流入が増えれば、売上も同じ割合で増えますか?
- 同じとは限りません。訪問数、購入件数、購入収益を別に記録します。購入計測が未設定の場合は、売上ゼロとせず未計測と示してください。
- Q. Rough Countryの約359万円は月商ですか?
- 出典は22,700ドルの年初来AI経由売上と説明しています。月商ではなく、対象年や集計末日も明確ではありません。約359万円は1ドル158円の参考換算です。
- Q. GA4のAI Assistantと参照元の数字は足してよいですか?
- 同じ訪問を異なる切り口で分類している場合があるため、合算しません。チャネルの総量と、参照元ごとの内訳を分けて確認します。
- Q. AIO対策の成果が少ない段階では何を報告しますか?
- 割合より実数を示し、対象期間、計測条件、実施した変更、未確認の点を添えます。次に改善するページと、その理由まで残すと次月の作業につながります。
出典・参考データ
- [1] Turning AI Search Into a Revenue Generator (Tinuiti) — 取得 2026-09-30
- [2] Traffic acquisition report (Google) — 取得 2026-09-30
- [3] Scopes of traffic-source dimensions (Google) — 取得 2026-09-30
- [4] May 13, 2026: AI Assistant traffic measurement (Google) — 取得 2026-09-30
- [5] AI features and your website (Google Search Central) — 取得 2026-09-30
この記事を書いた人
水島 翔吾株式会社kairos 代表取締役 / AgentSignal 開発者
AI クローラー・AI 流入計測と AIO 診断ツール AgentSignal を開発。実測データを元に AI 検索時代の計測と対策を書いています。
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